残業代請求に関する解決事例 30

解決事例30

能率手当が残業代の一部支払いであるとの主張に対し、弁護士が能率手当の給与規程での定めが不明確な点を追及、労働審判で納得のいく解決ができた事案

若松 俊樹

担当弁護士
若松 俊樹

ご依頼者 E.Sさん

業種
運送業
解決方法
労働審判
1日の平均残業時間
2.5時間
回収金額
300万円

ご依頼者の勤務状況

ご依頼者のE.Sさんは、トラックドライバーとして働いており、1日2~3時間程度の残業をしていましたが、残業代の支払いを明確に示されず、特定の手当が残業代の支払いであるといった説明も受けていませんでした。E.Sさんはそうした状況に疑問を持ち、当事務所に電話相談ののち、受任することとなりました。

交渉の経過と解決に向けた弁護士の活動内容

まず会社宛てに残業代催告書を送付し、会社の代理人から資料一式が開示されました。代理人からは「能率手当が残業代の一部支払いである。」との主張をされましたが、能率手当は給与規程上「…30時間分の時間外手当を含む金額を支給する。」と定められており、各月の能率手当で時間外手当がどの程度含まれるか明らかでなく、残業代の一部支払とはならないものでした。

交渉では解決がつかず労働審判となり、裁判所も能率手当が残業代支払いとは認められないとの心証でした。その後、能率手当の実態が歩合給であったかも争点となりましたが、協議の結果、能率手当を基本給に組み入れた場合と歩合給とした場合との2つの計算案の中間額(300万円)で調停成立となりました。

解決に至ったポイント

ある手当が残業代の一部支払いとして認められるためには、①金額が対象時間数が明示され基本給と明確に区別されていること、②金額としても時間外労働の対価としての実質があること、という要件を満たす必要があります。

そうした要件を満たすかどうかは、給与規程や給与明細を詳細に調査分析し、金額計算を行うことが不可欠です。

今回は能率手当の給与規程での定めが不明確であったことを追及し、裁判所からも同様の判断を得ることができたため、ご依頼者のE.Sさんに対し、満足のいく解決へ導くことができました。

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