残業代請求に関する解決事例 28
残業代請求に関する解決事例 28
解決事例28
担当弁護士
若松 俊樹
ご依頼者 T.Gさん
ご依頼者のT.Gさんは営業職で、窓口業務や顧客案内などに従事していたが、会社の労働時間管理が杜撰で、タイムカードがなく、残業代も一切支払われていませんでした。T.Gさんご本人で警備記録やLINEの証拠を残しており、残業代請求ができないか相談にいらっしゃいました。
会社の労働時間管理が杜撰であったため、どの程度労働時間に関する証拠が集まるかが懸念されました。そのため、ご依頼者のT.Gさんに対して終業時間をできるだけ明らかにするために、LINEや警備記録の写真を可能な限り集めるように指示しました。
あわせて、会社に対してはタイムカード以外の労働時間に関する証拠(パソコンのログイン・ログオフ記録、会社の公式LINEの投稿履歴、警備記録など)をできるだけ開示するように要請し、これをもとに残業代計算を行い交渉することを方針として立てました。
受任後、会社に受任通知を送付し、労働時間を立証する資料一切の開示を要請しました。その結果、ご依頼者のT.Gさんが使用していたパソコンのログイン・ログオフ記録、T.Gさんのアカウントのカレンダー履歴、会社の公式LINEへの投稿日時のデータなどが開示されました。開示された資料とT.Gさんの手持ち資料(LINE履歴、警備記録の写真)から認定される労働時間をもとに、残業代計算ソフトに入力し、相手方と交渉を継続しました。
最終的には、若干の金額の争いはあったものの、労働審判や訴訟に移行した際に認められるであろう金額にほぼ近い、約85万円を一括で支払う内容で示談が成立しました。
労働時間に関する証拠はタイムカードだけではなく、たとえば警備記録、パソコンのログイン・ログオフ記録、会社やプライベートのLINE履歴などを使用することもできます。弁護士が代理人として入ることで、できるだけ多角的な視点から労働時間の証拠を収集し、会社と実効的な交渉を行うことが可能となります。