残業代請求に関する解決事例 13

解決事例13

仕事の能力が低いことを理由に未払い残業代の支払いを拒む会社に対し、弁護士が的確に交渉を進めて示談・解決した事案

今井 浩統
担当弁護士
今井 浩統
業種
卸売業
解決方法
示談交渉
ご依頼者
H.Rさん
受任年
2018年
解決年
2018年
1日の平均残業時間
5時間
回収金額
約150万円

事例の概要

ご依頼者のH.Rさんは、主にルートセールスを担当しておりました。

業務の内容は、前日までに発注を受けた商品を、当日の朝トラックに積み込み、担当先の飲食店等に配達・集金に回り、帰社後は、売却した商品及び売上金の確認、トラック内の荷物等の片付け、翌日に配送荷物の確認等を行っていました。

また、別のドライバーの荷物の片付け等も行っていたことから、およそ午前6時半頃に出勤し、退社するのは午後9時頃でした。

解決に向けてのポイント

ドライバーの方については、労働時間を示す証拠がないことも多いのですが、本件では、タイムカードにより出退勤が管理されていたため、比較的問題なく残業時間を計算することができました。

解決に向けた交渉の経過

当職が残業代を計算したところ、未払いとなっている残業代は340万円ほどになりました。

出退勤時間については客観的な証拠があったため、元勤務先の代理人は、休憩時間が長かったことを主張してきました。また、勤務時間が長時間に及んでいることは、H.Rさんの仕事の遅さに原因があると主張してきました。

これらの主張には全く裏付けがなく、訴訟になれば主張として認められない可能性が高いものではありましたが、訴訟による紛争の長期化を避けたいというご依頼者の強い希望があったため、交渉により約150万円で示談することとなりました。

当事務所が関わった結果

本件では、勤務時間が明確でしたので、訴訟になれば、当初計算した請求額に近い金額が認められる可能性もありました。

しかし、会社側は「労働時間が長いのは、仕事の処理能力が低い」という、H.Rさんを貶めるような主張を繰り返してきました。こうした主張は他の事案でもよくあるのですが、ご依頼者のH.Rさんとしては、元勤務先と今後一切関わりたくないということで、訴訟を提起しない方向で合意をまとめることとなりました。

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