残業代請求に関する解決事例 08
残業代請求に関する解決事例 08
解決事例08
担当弁護士
小湊 敬祐
ご依頼者 N.Sさん
ご依頼者のN.Sさんは、社内の広告制作を行う部署に所属していました。複数店舗を有する企業のため、各店舗を回って深夜まで広告制作の作業を進め、泊まり込みでの作業も多い一方で、残業代はまったく支払われていませんでした。
本件は、受任時にご依頼者の手元に残業代に関する資料が全くない事件でした。このため、弁護士が少しでも残業時間の証拠になる資料集めをアドバイスし、なんとか残業代の仮計算ができるまでにこぎつけました。
具体的には、出勤時・退勤時の家族とのメッセージ記録や、交通機関の利用履歴などです。
断片的な資料から仮計算した金額をもとに、相手方へ請求を行いましたが、とても金額の交渉ができる状態ではありませんでした。
このため、早期に交渉を諦めて訴訟を提起。すると、相手方に弁護士がつき、一定の資料が開示されました。
これにより、N.Sさんの残業時間を正確に計算することができ、ようやく証拠に基づいた請求が可能になりました。
最終的には、開示されたタイムカードの時間通りの労働時間が認められ、満額に近い金額で和解することができました。
本件のポイントは、少ない証拠から粘り強く残業代を計算し、請求を行ったことです。
残業代請求を行うすべてのご依頼者のなかで、必要な証拠がすべてそろっている方はごく少数です。多くの方は、証拠が足りない中で工夫をしながら残業代請求を行っています。
本件のように、裁判を起こしたことで状況が大きく変わり、よい解決にたどり着くケースもたくさんあります。
残業代請求をお考えの方は、何が証拠になり、どのような資料が必要になるのか。まずはそこから弁護士にご相談されるのがよいかと思います。
そのうえで解決に向けたアドバイスやご提案をいたしますので、深く悩まれる前に当事務所へお問い合わせください。