残業代請求に関する解決事例 02
残業代請求に関する解決事例 02
解決事例02
解説弁護士
小湊 敬祐
ご依頼者 K.Sさん
ご依頼者のK.Sさんは、製造業の工場内においてライン管理等の事務を行っていました。
工場内勤務のため、連日早朝から深夜までの勤務を続けてきましたが、残業代は一切支払われていませんでした。
ご依頼者のK.Sさんは、勤務先から「残業は会社の指示ではないから、残業代は支払わない」などと言われ、残業代の請求を諦めかけていました。
しかし、具体的な会社の指示がなかったとしても、労働者の残業を勤務先が黙認しているような場合や、残業しなければ終えられないような業務を課していたような場合には、労働時間と認められます。
そして、労働時間として認められる時間については、賃金(残業代)が支払われます。
本件では、勤務先の会社が「会社の許可がない残業は禁止である」との命令を出していました。しかし、実際には、残業をしなければとても終えることのできない業務を指示していました。
弁護士による交渉段階においても、勤務先は「残業は禁止である、勝手に残業した分についての残業代は支払わない」と主張してきました。
このため、裁判ではそのような主張が認められないことを弁護士が粘り強く主張し、最終的に裁判と同水準での和解を行うことができました。
本件のポイントは、裁判外での交渉によって、スピーディに残業代を獲得することができた点です。弁護士による交渉を行う前の段階では、使用者(勤務先)が明らかな法律違反の理由によって、残業代を支払っていないことが多々あります。
この点、弁護士による交渉では、そのような使用者の主張は裁判ではほぼ認められないことを整然と主張することによって、早期の解決が実現することも多いのです。
「これは明らかにおかしいのではないか?」という理由で残業代の未払いに悩んでいる方は、一度弁護士に相談されることをおすすめします。