残業代請求に関する解決事例 12
残業代請求に関する解決事例 12
解決事例12
担当弁護士
今井 浩統
ご依頼者 K.Nさん
ご依頼者のK.Nさんは、学校のなかで進路相談や運営等の仕事をしており、基本的な業務は、決まった学校に出勤することとなっておりましたが、月に何度か出張もありました。
固定残業代名目で残業代の支払いはあったものの、それ以外に残業代の支払いがない状況でした。
固定残業代の有効性、振替休日の有効性という法的な問題が存在し、これらについて争いが大きくなった場合、訴訟を提起せざるを得ない可能性がありました。これら法的な争点を表面化させることなく、迅速な解決を目指しました。
タイムカード等の証拠もあり、相応に残業もしておりましたので、受任のうえ、未払い残業代の計算を開始しました。当職が計算したところ、未払い残業代はおよそ280万円にのぼりました。
当該金額をもとに元勤務先の代理人と交渉を行いましたが、元勤務先は、固定残業代及び振替休日が有効であることを前提に、未払い残業代については50万円ほどしか支払わないと強硬に主張していました。
ご依頼者のK.Nさんとしては、訴訟を避け、早期解決を強く希望していたため、元勤務先の代理人を交渉で説得し、100万円で示談することとなりました。
元勤務先代理人との実質的な交渉期間は1か月ほどでしたので、迅速な解決ができた事案であったと思います。
固定残業代の有効性、振替休日の有効性という、法的に難しい争点が2つもあったため、これらについて争い、相応の残業代獲得を目指した場合には、訴訟を提起する必要がある状況でした。
訴訟を提起した場合、解決には交渉の半年に加え、1年以上の期間を要することが一般的です。
獲得金額という面では低額にとどまってしまいましたが、ご依頼者の希望に沿って解決ができた事案だったと思います。