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労災事故に関する解決事例

解決事例10

労災保険では足りない損害賠償の支払いに応じない会社に対し、弁護士が事故態様を精査しながらご依頼者が不利にならないよう交渉を重ね、満額に近い賠償額で解決した事案

担当弁護士
神津 竜平

K.Mさん・40歳代・男性

後遺障害等級
12級
解決方法
示談交渉
労災支給額
1140万円
会社からの賠償金額
780万円
総額
1920万円

ご依頼者の業務内容と当時の災害状況

ご依頼者のK.Mさんは、スクラップ工場の作業員として従事しておりました。労災事故時、K.Mさんがトレーラーの誘導をしていたところ、付近で作業中のクレーンからスクラップがK.Mさんの下肢に落下し、左膝開放骨折等の傷害を負いました。

弁護士にご相談された理由

本件は、業務中の事故であったため労災保険が適用されました。ご依頼者のK.Mさんは治療終了後、先ずはご自身で会社に対して労災保険では満たない損害の賠償請求を行いましたが、会社は一切支払いに応じませんでした。そこでK.Mさんは、弁護士の見解も伺いたいと、当事務所にご相談に来られました。

解決に向けた弁護士の活動内容

当職の受任後、先ずは事故態様の精査や適切な損害算定のために、労働局へ保有個人情報開示請求を行いました。そのうえで、いわゆる裁判基準にてご依頼者のK.Mさんの損害を算定して、会社に対し民法上の使用者責任に基づく損害賠償請求を行いました。請求後は、会社にも代理人弁護士が就き、事故態様に見解の相違があったため、主に過失割合が争点となりながらも、交渉による解決を進めていきました。

解決に至ったポイント

本件においては、ご依頼者のK.Mさんと会社側とで事故態様に見解の相違が生じておりました。また、労働局から取り寄せた客観資料においても事故状況が判然としませんでした。そのため、会社からはK.Mさんにも5割の過失がある旨主張されました。本件類似の裁判例を踏まえると、仮に裁判になった場合にはK.Mさんにも一定程度の過失が認定されうる事案ではあったものの、当職としては、K.Mさんには過失がない事故態様である旨主張していきました。交渉の結果、裁判になった場合の見通しも踏まえたうえで、K.Mさんの過失が1割であることを前提として、当職にて算定した請求金額に極めて近い賠償額で解決するに至りました。

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