解決事例01
労災申請に非協力的な会社に対し、弁護士が交渉に入ったことで話し合いが進み、裁判で容認される見込額で和解に至った事案
担当弁護士
小林 貴行
X.Iさん・40歳代・女性
- 後遺障害等級
- なし
- 解決方法
- 交渉
- 労災支給額
- 約58万円
- 会社からの賠償金額
- 約207万円
- 総額
- 約265万円
ご依頼者の業務内容と当時の災害状況
Xさんはトラックの配送センターにて、トラックの荷台で積み下ろしの作業をしていましたが、運転手が勝手にトラックを発進させたため、転落し、さらに荷物が落下してきて、足の指を骨折する大けがをしました。
弁護士にご相談された理由
本件で入院することになったが、会社はとりあえずの政府労災の治療対応のほかは、休業補償などなかなか労災対応をしてくれませんでした。また、警察の事故調査でも、十分な資料を警察に会社から提供してくれたとは思えないとおっしゃっていました。
解決に向けた弁護士の活動内容
お話をお聞きして、このままだと事故状況が不明なままでXさんが会社を辞めさせられてうやむやのままで事案終了とされてしまうおそれがありました。そこで、速やかに弁護士として受任した旨を運転手本人と会社に通知しました。
続いて、警察に改めての実況見分を要請し、客観的な状況を保全しました。
Xさんに弁護士が代理人として就いたことによって、会社も真正面から誠実に対応する必要があると認識しました。これにより、会社による休業補償給付の手続きの対応が進んだほか、会社も交渉のために弁護士をつけました。
賠償交渉のプロである弁護士同士の交渉の結果、裁判で認容される見込み額と同額で、和解しました。
解決に至ったポイント
本件では、当初は会社対一労働者ということで、会社に誠実に事案に対応しようという気がなかったところ、労働者側に弁護士が就いたことによって、会社としても訴訟を回避するために誠実に事案に向き合って和解しようという方向に動きました。
労働者に弁護士がつくことによって、労働者が本気で事案への適切な対応を求めているのだという認識を会社に印象づけることに成功した事案でした。