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労災事故に関する解決事例

解決事例09

事実と異なる労災申請に対して弁護士が実態に即した労災申請を要請、安全配慮義務違反による損害賠償請求も行い、交渉で和解した事案

担当弁護士
若松 俊樹

K.Kさん・50歳代・男性

後遺障害等級
併合11級
解決方法
示談交渉
労災支給額
350万円
会社からの賠償金額
300万円
総額
650万円

ご依頼者の業務内容と当時の災害状況

ご依頼者のK.Kさんは、解体工として勤務していました。ある工事現場で換気口のスリーブを壊して取り外す作業を行っていたところ、スリーブを破壊した衝撃でバランスを崩して転落、頭部をかばおうとして左手首を骨折するケガを負いました。

弁護士にご相談された理由

この事故により労災申請はしていたものの、会社からの指示で実態と異なる一人親方としての申請をしており十分な給付が受けられず、勤務先の会社(孫請)および元請、下請会社の対応に疑問を感じ、当事務所へ相談にこられました。

解決に向けた弁護士の活動内容

勤務先会社、元請会社、下請会社に対して受任通知を送るとともに、労災申請を実態に即したものとするため、その対応を要請しました。合わせて、ご依頼者のK.Kさんは事故以降仕事ができず、十分な給付を受けられず適切な治療を躊躇している状況であったため、休業損害ないし慰謝料の先払いを要請しました。その結果、労災切り替えをすることができ、あわせて勤務先会社から先払いとして50万円を受領することができました。
治療が終了して後遺障害併合11級となったあと、損害額を計算し、安全配慮義務違反(設備管理の不備、指揮監督の不備等)を理由とする損害賠償請求を行いました。相手方は義務違反を争う姿勢ではありましたが、早期解決の観点および風評リスクへの懸念から双方で早期和解を模索し、その結果、追加で250万円を受領する内容で示談することとなりました。

解決に至ったポイント

労災が起きたとき、労災保険料の値上がりや風評リスクを懸念して、会社が実態と異なる形での労災申請を労働者に強いることがあり、本件もこの類型にあたるものでした。
早期に介入して実態に合わせた労災申請に変更することができたため、労災から十分な給付を受けることができるようになりました。
また、安全配慮義務違反に加えて上記のような経緯があったことで、会社の評判に影響が出るリスク、今後の仕事関係に影響が出るリスクがあったことから、相手方の会社としても安全配慮義務違反は争うものの、一定の解決金を支払う早期解決を選択したと見られます。

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