解決事例03
勤務中の骨折により今後の就労が困難となり、会社に対し訴訟を提起したがご依頼者の早期解決を目指したい意向を汲み、解決金の提示により和解した事案
担当弁護士
今井 浩統
K.Nさん・60歳代・男性
- 後遺障害等級
- 8級
- 解決方法
- 訴訟(和解)
- 労災支給額
- 約890万円
- 会社からの賠償金額
- 約250万円
- 総額
- 約1140万円
ご依頼者の業務内容と当時の災害状況
ご依頼者のK.Nさんは、業者向け配達員の仕事をしていたところ、配達先店舗の敷地内において、転倒し、骨折してしまいました。
弁護士にご相談された理由
K.Nさんは高齢であり、怪我の影響もあったため、今後の就労が困難となってしまったことから、今後の生活に不安を覚え、相談に来られました。
解決に向けた弁護士の活動内容
会社と交渉を試みましたが、会社は交渉に応じなかったため、訴訟を提起しました。
しかし、訴訟提起直後、ご依頼者であるK.Nさんの体調が悪化してしまい、このまま訴訟を進めることが困難となってしまいました。また、ご家族の方もK.Nさんの体調が心配であり、精神的に負担となる訴訟を継続したくないというご意向でした。
訴訟提起時点までにかなり治療が長期化していたため、治療を再開し、訴訟を取り下げてしまうと時効期間を経過してしまう可能性がありました。かといって悪化した症状に関する請求は、その治療が終わらなければ請求をすることができません。このため、現在の訴訟を継続し、適正な解決を図ることは困難という状況になってしまいました。
このため、K.Nさんやご家族と相談し、訴訟を取り下げるか、早期に低額な和解に応じるか、何度も協議を重ねました。
解決に至ったポイント
本件は訴訟提起直後であったため、会社側の安全配慮義務違反等の立証はほとんどできておりませんでした。このため、本件に即して具体的な金額を提示することは難しい状況にありました。
私のこれまでの経験から、現在の請求額、今後の請求予定額、会社における今後のリスク等に鑑み、300万円の解決金を提示したところ、250万円にて合意することとなりました。
請求できる権利からすると当該金額は低額ではありましたが、ご依頼者のニーズに合った解決をすることができました。