解決までの流れ 民事裁判・刑事手続について

どうすればいい?裁判や警察への対応。

「交通事故の損害賠償問題で「裁判」になるのはどんなとき?」「警察への対応や刑事裁判に被害者はどう関われるのか」などの疑問にお答えします。

被害者も知っておきたい、加害者に対する責任追及。

交通事故の加害者は「民事」「刑事」「行政」という3つの法律上の責任に問われることになります。
「民事上の責任(民事事件)」は、被害者の損害に対して生じる賠償責任です。損害賠償金は多くの場合、加害者が加入している自動車保険会社が加害者に代わって示談交渉を行い、賠償金を支払います。示談で決着がつかない場合は「ADR機関の利用」「民事裁判」に発展します。
「刑事上の責任(刑事事件)」は、法律を犯したことによって、国により懲罰が与えられる責任です。交通事故の場合は、「自動車運転過失致死傷罪」「危険運転致死傷罪」「緊急措置義務違反人身事故」などの罪に問われます。刑事裁判は加害者の罪を問うことが主であるため、通常は被害者は証人として出廷する可能性がある以外は刑事裁判に関係することはほとんどありません。しかし、「被害者参加制度」を利用することで、被害者も刑事裁判の手続きに参加することができます。
「行政上の責任(行政処分)」は、加害者が警察と公安委員会によって運転免許の取り消し、停止などの処分を受けることです。

民事裁判について

示談で決着がつかなければ「民事裁判」へ

交通事故の加害者への損害賠償請求は、まず当事者同士および保険会社の担当者が話し合う「示談交渉」から始まります。
そこで合意に至らなければ「紛争処理センター(ADR)での示談斡旋」、「裁判所での調停」や簡易裁判所または地方裁判所に訴えを起こして「民事裁判」で決着をつけることになります。
交通事故の賠償金問題は示談交渉で解決することが多く、民事裁判までもつれこむことは多くありません。しかし、重度後遺障害などの場合には賠償金額が高額となるため、民事裁判も想定に入れたうえで交渉を進めることが望ましいでしょう。解決までの時間や被害者の負担などを踏まえ、自身にとってどのような解決手段が望ましいのか、弁護士に相談することをおすすめします。

民事裁判にかかる期間

訴えを起こしてから判決までは、特に問題となる点がない裁判で6か月から1年程度となります。被害者に重度の後遺障害が残り、法律上で争う問題が多数ある場合は判決まで2年以上の歳月がかかることもあります。

「交通事故紛争処理センター」について

民事裁判は示談交渉に比べると時間と費用がかかります。そのため、交通事故問題の和解斡旋を行っている「交通事故紛争処理センター(ADR)」を利用するのもひとつの手段です。裁判に比べると時間と費用の負担が軽く、示談交渉よりも裁判に近いかたちでの解決が望めるのが交通事故紛争処理センターのメリットです。

民事裁判の主な流れ

裁判は弁護士に依頼して、適切な解決へ。

交通事故の損害賠償に対する民事裁判は「本人訴訟」といって、被害者本人が訴訟を起こすことも可能です。しかし、そのためには民事訴訟法や民法に精通している必要があります。また、裁判での立証責任は被害者側にあるため、証拠集めに関しても膨大な作業が必要となります。
弁護士に依頼することで、期日の進行管理や裁判資料の作成や証拠の収集を任せることができます。裁判に必要な作業を一任することで、被害者の方は治療や日々の生活に専念することができるのが弁護士に依頼する一番のメリットです。また、弁護士ならば裁判所基準に基いて主張を進めていくため適正な賠償額を得られる可能性が高く、適切な解決につながります。

刑事手続きについて

知らないところで決まってしまう加害者の刑事責任。

交通事故で相手を死亡または負傷させると、「自動車運転過失致死傷罪」「危険運転致死傷罪」「道路交通法違反」などの罪に問われることになります。加害者の罪を決める「刑事裁判」は、検察官が加害者である被告人を提訴し、弁護人が弁護して、裁判官が判決を行います。そのため、基本的に被害者は証人として出廷する可能性がある以外は刑事裁判に関与することはほとんどありません。そのため、知らないままに加害者の刑事責任が確定していることも少なくありません。
しかし、被害者のご遺族が裁判の経過や結果を知りたい、裁判に適切に関わりたいという思いは尊重されるべきものとして、2008年から「被害者参加制度」が施行されたことにより、被害者のご家族も刑事裁判の手続きに参加することができるようになりました。

刑事裁判手続きの流れ

警察での事情聴取の内容(供述調書)は、示談や民事裁判でも証拠として利用されることがあり、事故の過失割合を左右する非常に重要なものです。しかし、被害者が事故によって、意識不明や高次脳機能障害になってしまうと正確な事故状況の説明ができなくなります。その場合、加害者は自分の落ち度を減らそうとして、運転速度をごまかしたり、被害者が急に飛び出してきたなどの嘘の説明をすることもあります。
目撃者の確保、ブレーキ痕のチェック、現場写真の確保、事故当時の被害者の行動の記録化、各車輌の保存・写真撮影などが必要となりますが、適切な解決を目指すなら、警察や保険会社だけに任せてはいけない分野です。
交通事故の起訴率は決して高くありません。起訴されたとしても、その多くは略式起訴(公開法廷が開かれない裁判)で「業務上過失傷害罪」となることがほとんどです。特に日本では、被害者側が刑事裁判にしっかりと関わることができるかは検察官の対応にも左右されるのが現実です。被害者やご家族が後悔されないよう、刑事裁判の対応も是非弁護士を活用してください。

被害者側が刑事手続きに参加できる「被害者参加制度」

重大な交通事故に関する刑事裁判には、被害者のご家族が刑事手続きに参加できる「被害者参加制度」があります。刑事裁判に参加できる被害者のご家族は「被害者の配偶者」「被害者の直径の親族」「被害者の兄弟姉妹」です。刑事裁判に被害者参加人として出席する場合は、裁判所に参加の申し出をし、許可を受ける必要があります。
被害者参加人の許可がおりると、公判期日が通知されてすべての公判期日に出席することができます。被害者参加人には裁判時に以下の手続きが認められています。また、これらは被害者参加人だけでなく、代理人(多くの場合は弁護士)も行うことができます。
証人尋問や被告人質問、意見陳述を適切に行うためには、早い時期から準備をする必要がありますので、被害者参加制度のご利用をお考えの場合は早めに弁護士にご相談ください。

「被害者参加制度」についてもっと詳しく

死亡事故の加害者への賠償請求

示談の成立と刑事裁判の関係。

加害者の刑事責任を問う刑事裁判が進む一方で、加害者の被害者への損害賠償責任(民事責任)のための示談交渉も始まります。
刑事裁判にかけられた被告人(加害者)は、なるべく罪を軽くしたいと思うものです。そこで損害賠償の示談が成立しているか、していないかが大きな鍵となります。何故なら、示談が成立していると「被害者に誠意を見せた」と判断され、減刑要素になるからです。
通常、交通事故の示談交渉よりも早く刑事裁判は終わりますので、加害者または保険会社が示談の成立を急いでいる場合は注意が必要です。
なかでも被害者に後遺障害が残る場合、早期の示談成立は危険です。示談が成立した後にかかる治療費やその後明らかになった後遺障害については賠償されなくなってしまいます。
安易に示談に応じるとこういったリスクが発生する可能性がありますので、そうなる前に弁護士にご相談ください。

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