交通事故被害の基礎知識

後遺障害6級の主な症状や慰謝料の相場について

後遺障害6級の主な症状や慰謝料の相場について

交通事故被害で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定の申請手続きを行うことで、症状内容に応じた等級認定を受けられる可能性があります。
ここでは、後遺障害6級が認定される主な症状や慰謝料の相場について解説します。

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この記事の内容

後遺障害6級の認定基準について

後遺障害6級は、障害の部位や内容によって、1号から8号までに分けられています。
認定された場合の労働能力喪失率は、基本的に67%とされます。
各号の後遺障害の内容と認定基準は以下のとおりです。

目の障害(6級1号)

後遺障害の内容
両眼の視力が0.1以下になったもの
認定基準
両眼の矯正視力が、万国式試視力表による視力検査(ランドルト環の切れ目を見分ける通常の視力検査)で0.1以下になったもの

口の障害(6級2号)

後遺障害の内容
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
認定基準
粥食又はこれに準ずる程度の飲食物以外は摂取できないもの
4種の語音(ま行などの口唇音・な行などの歯舌音・か行などの口蓋音・は行の咽頭音)のうち、2種の発音不能のもの、または綴音機能(2つ以上の単音を結合させる機能)に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することができないもの

耳の障害

6級3号・4号は耳の障害です。

6級3号

後遺障害の内容
両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
認定基準
両耳の平均純音聴力レベル(どれだけ小さい音を聞き取れるかの程度)が80dB以上のもの
両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上80dB未満であり、かつ、最高明瞭度(言葉を聞き取れる程度)が30%以下のもの

6級4号

後遺障害の内容
1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
認定基準
片耳の平均純音聴力レベル(どれだけ小さい音を聞き取れるかの程度)が90dB以上であり、かつもう一方の耳の平均純音聴力レベルが70dB以上のもの

体幹骨の障害(6級5号)

後遺障害の内容
脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
認定基準
エックス線写真等により、脊椎圧迫骨折等を確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するもの
a 脊椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎(背骨が後ろに曲がって、いわゆる猫背になっている状態)が生じているもの。
「前方椎体高が著しく減少」したとは、減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した後方椎体高の1個あたりの高さ以上であるものをいう
b 脊椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生ずるとともに、コブ法による側彎度(背骨が左右に捻じ曲がっている程度)が50度以上になっているもの。
「前方椎体高が減少」したとは、減少した全ての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の合計との差が、減少した後方椎体高の1個あたりの高さの50%以上であるものをいう
次のいずれかにより、頚部及び胸腰部が強直したもの
a 頚椎及び胸腰椎のそれぞれに脊椎圧迫骨折等が存しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの
b 頚椎及び胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術が行われたもの
c 項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

上肢の障害

6級6号・8号は上肢の障害です。

6級6号

後遺障害の内容
1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
認定基準
片腕の肩関節・肘関節・手関節のうち2つの関節について、次のいずれかに該当するもの
a 関節が強直したもの。但し、肩関節にあっては、肩甲上腕関節が癒合し骨性強直していることがエックス線写真等により確認できるものを含む。
b 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態(他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%以下程度になったもの)にあるもの
c 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

6級8号

後遺障害の内容
1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
認定基準
片手の5本の指又はおや指を含む4本の指について、おや指は指節間関節(指の先端側の関節)、その他の指は近位指節間関節(指の真ん中の関節)以上を失ったもの
具体的には、
a 手指を中手骨(手の甲部分の骨)又は基節骨(指の付け根側の骨)で切断したもの
b 近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)において基節骨と中節骨とを離断したもの

下肢の障害(6級7号)

後遺障害の内容
1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
認定基準
片脚の股関節・膝関節・足関節のうち2つの関節について、次のいずれかに該当するもの
a 関節が強直したもの
b 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態(他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%以下程度になったもの)にあるもの
c 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

後遺障害6級に関する慰謝料の相場

後遺障害慰謝料には、自賠責基準・任意保険会社基準・裁判基準の3つの基準があります。

後遺障害6級の場合、自賠責保険による慰謝料金額(自賠責基準)は、512万円になります。これは、被害者救済のための最低限の補償のための基準です。

加害者側保険会社が示談提案する際の基準(任意保険会社基準)は、自賠責基準を下回らないものとされており、512万円よりは高い金額の提示がなされることが多いです。

もっとも、本来被害者が受け取るべき慰謝料水準よりは低い提示がなされることがほとんどです。

一方、裁判所が認定する慰謝料の相場(裁判基準)は、6級の場合、1180万円です。裁判基準慰謝料が、後遺障害による精神的苦痛をてん補する賠償金の満額となります。

そして、弁護士が代理人として加害者側保険会社との交渉・裁判を行う場合、裁判基準に準ずる請求を行います。

後遺障害による苦痛について、適正な慰謝料を受け取るためには、弁護士に相談・依頼することを検討するのがよいでしょう。

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この記事の監修

交通事故の被害者の方は、ただでさえケガの痛みで苦しい思いをされているなかで、初めての諸手続きの大変さや先の見通しの不安を抱えて生活されています。弁護士は医者と違い、ケガの痛みを癒すことはできませんが、不安を取り除くともに、適正な賠償を受ける手助けをできれば幸いです。

弁護士三浦 知草

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