後遺障害併合第14級の認定を受けていたが、相手方保険会社の低額な示談内容に対し弁護士が裁判基準額で交渉、約150万円増額して示談することができた事案
- 公開日:
- 2023年6月1日
示談交渉後遺障害
- 解説弁護士
- 谷 靖介
D.Tさん・50歳代・会社員
- 受傷部位
- 背骨(頚椎・腰椎)
- 後遺障害等級
- 併合14級
- 傷病名
- 頚椎捻挫
腰椎捻挫
- 解決方法
- 示談交渉
- 弁護士費用特約
- あり
- 取得金額
- 約270万円
ご依頼者の事故発生状況
- 事故態様
- (加害者)自動車/自動車(被害者)
ご依頼者のD.Tさんは、車を停車中、後ろから加害者車両に追突されました。この事故により、D.Tさんは、頚椎捻挫・腰椎捻挫の傷害を負いましたが、後頚部痛や腰痛の後遺障害が残り、事前認定により後遺障害等級併合第14級が認定されました。
解決に向けた弁護士の活動内容
ご依頼者のD.Tさんは保険会社から示談金額の提示を受け、その内容が妥当なのかどうか判断がつかず当事務所へご相談に来られました。弁護士が示談提示額を確認したところ、裁判基準よりも低い金額が提示されており、増額の見込みがありましたのでその旨をお伝えすると、ご依頼されることとなりました。
傷害慰謝料について、D.Tさんは約半年間通院していたにもかかわらず、相手方保険会社からの提案額は裁判基準額の半分にも満たない額でした。そこで、裁判基準額に引き直して傷害慰謝料を請求しました。
D.Tさんは、後遺障害併合第14級の認定を受けていましたが、後遺障害の損害について相手方保険会社からは、14級の自賠責保険部分の金額(75万円)の提示しかありませんでした。そこで、後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益について、裁判基準に基づいて請求しました。
保険会社と交渉した結果、傷害慰謝料については裁判基準額の7割に満たない金額でしたが、その代り、後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益については、裁判基準満額で示談することができ、総額で約150万示談金を増額することができました。
弁護士による事例総括
交渉の場合、裁判基準額の満額で示談することは難しいことが多いです。今回の場合、傷害慰謝料は比較的低額でしたが、その代わり、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益については裁判基準満額で示談することができ、事前提案額から150万円ほど増額いたしました。
本件のように、後遺障害の認定を受けたにもかかわらず、保険会社から低額の示談提案がくることは多いです。しかし、後遺障害を負ったことによる精神的損害や労働能力を喪失したことに対する損害については、適切な賠償がなされるべきです。
保険会社から示談提案がきた場合、すぐに示談されてしまう方も多いかと思いますが、本件のように、弁護士が介入しただけで示談金の大幅な増額となることがあります。示談提案額が適切かどうか判断に悩んでいるときは、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。