交通事故に関する解決事例 91

最初の事故の治療中に再度事故に遭い、加害者が複数となり複雑な示談交渉となるが弁護士が適切に対応、それぞれの保険会社から適切な賠償金を受けることができた事案

担当弁護士
村田 羊成

N.Zさん・60歳代・主婦

受傷部位
背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
併合14級
傷病名
頚椎捻挫
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
360万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/自動車(被害者)

ご依頼者のN.Zさんは、同乗していた車が信号待ちで停止していたら、加害者車両に追突されました。この事故の治療を開始して3か月ほどが経ったところ、N.Zさんは再度同様の追突事故に遭いました。この事故により、N.Zさんは頚椎捻挫のケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のN.Zさんは、第1事故により頚椎捻挫のケガを負い、その後、3か月程度治療した段階で、第2事故が発生しました。

第2事故が発生した段階で、以降の治療費負担は第2事故の相手方保険会社が引き継ぎ、第1事故の相手方保険会社から示談提案を受けました。示談内容が適切かどうか判断できなかったため、当事務所に相談に来られ、その日にご依頼されました。

本件についてN.Zさんは、2度目の事故被害に遭った段階で第1事故の相手方保険会社から示談提案を受けていました。しかし、第1事故の相手方保険会社と示談するタイミングは注意が必要です。

第1事故と第2事故の負傷部位が同一で、第2事故発生後も同様の治療を続けた場合、第2事故発生後の治療費等の損害や後遺障害認定された場合の損害について、厳密には第1事故の加害者も責任を負うことがあります。

明らかに第1事故の事故規模が大きいなど、事情によっては第2事故発生後の損害についても、第2事故の加害者よりも第1事故の加害者責任が大きく、第2事故の加害者の責任は一部しか認められない場合もあります。

これらの事情がある場合、第1事故の相手方と示談してしまっていると、第2事故発生後の損害については第2事故相手方に一部しか請求できず、示談済みの第1事故相手方にも請求ができず、ご依頼者に不利益が発生する可能性があります。

したがって、第1事故の治療中に第2事故に遭われた場合、原則として第1事故相手方と先に示談してしまうことはせず、第2事故の治療が終了した後に、並行して交渉を進める必要があります。

こうした事情を考慮し、第1事故に関する示談は保留の上、治療が終了して後遺障害が認定された段階で、第1事故・第2事故双方の相手方保険会社と示談交渉を進め、当初提案から大幅な増額を図ることができ、適切な賠償を受けることで解決に至りました。

弁護士による事例総括

複数の交通事故被害に遭った場合、事故による損害のうち、どの範囲が第1事故の相手方の責任で、どの範囲が第2事故の相手方の責任かなど、慎重に考えるべきことが多くあります。対応を誤ると、いずれの相手方からも適切な賠償を受けられず、被害者が大きな不利益を被ることになります。

複数の交通事故に遭い、複数の相手方への対応の方法や流れがよく分からない、不安に感じている方は、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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