交通事故に関する解決事例 63

給与が支払われている育児休業中の休業損害について、弁護士の交渉により休業損害を獲得することができた事案

担当弁護士
小湊 敬祐

S.Tさん・30歳代・会社員

受傷部位
背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
非該当
傷病名
頚椎捻挫
腰椎捻挫
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
120万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/自動車(被害者)

ご依頼者のS.Tさんは、優先道路を走行中、信号のない交差点を直進してきた加害者車両と出合い頭に衝突。真横からぶつかられたような形になり、S.Tさんの車は横転してしまいました。幸いにもS.Tさんは骨折等の重傷を回避できましたが、この事故により頚椎捻挫・腰椎捻挫のケガを負い、病院に通院しました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のS.Tさんは治療終了後、保険会社から示談案の提示を受け、適正な金額であるかがわからず当事務所にご相談いただき、弁護士費用特約を利用しての受任となりました。

本件の大きな争点は、休業損害でした。給与所得者(サラリーマンなど)であれば大きな問題にはなりにくいのですが、本件のS.Tさんは育児休業中で、かつ一部給与の支払いを受けていました。

交通事故の被害者の中には、育児や介護のための休業中に事故に遭われる方もいらっしゃいます。休業損害は、交通事故によるケガで働けず、収入が減ってしまった分について補償されることが原則です。

そうすると、育児や介護のための休業中であって、勤務先から給与の支払いを受けている場合には、事故による収入の減少はないようにも思えます。

本件のS.Tさんも、育児休業中に基本給の一部を支給されている状態で交通事故に遭いました。このため、相手方保険会社は、「もともと休んでいたのだから事故による休業ではない」と主張してきました。

そこで、本件のS.Tさんの場合、休業中でも主婦としての労働(家事労働)はあり、事故の影響で家事労働が制限されているのだ、という構成をとることにしました。これにより、交渉で一定程度の休業損害の支払いを受けることができました。

弁護士による事例総括

本件のポイントは、休業損害について主婦休損というアプローチをとったことにあります。

休業損害と言うと、仕事を休まなければもらえないというイメージを持たれている方も多いと思います。

しかし、現実には、法律上休業損害が支払われるケースにはいろいろな場合がありますので、欠勤や遅刻早退がないからといって、あきらめてはいけません。

交通事故の休業損害についてお悩みの方は、一度弁護士の意見を聞かれるとよいでしょう。

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