交通事故に関する解決事例 42

兼業主婦のむちうち後遺障害等級非該当事案について、主婦休損に基づく損害賠償金を獲得した事案

解説弁護士
谷 靖介

N.Rさん・40歳代・パート

受傷部位
背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
非該当
傷病名
頚椎捻挫
腰椎捻挫
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
130万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

ご依頼者のN.Rさんは、信号待ちで停車中に後方から来た車に追突されました。この事故により、頚椎・腰椎捻挫のケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のN.Rさんは、以前に別の交通事故の被害者として当事務所にご依頼いただき、示談交渉・解決のお手伝いをさせていただいた方でした。

今回、信号待ち中に後方車から追突されてしまったという、ご本人に全く落ち度のない態様で再度事故に遭われてしまったとのことで、事故直後に当事務所にお問い合わせいただき、ご依頼いただきました。

N.Rさんは、家事とパートを両立させているいわゆる兼業主婦ですが、仕事が休めなかったため、首や腰の痛みを押して、事故直後から働いていました。そのため、事故前後を通じて、パート収入の減少はありませんでした。

当方は、保険会社に対し、休業損害として、事故による受傷により家事労働に与えた影響についての損害賠償(主婦休損)を請求しましたが、保険会社からは、実際に休業していないため、休業損害の発生を否定するとの回答がありました。

そこで弁護士は、N.Rさんの家事労働の内容や家族構成等を詳しくヒアリングし、N.Rさんが苦労してパートと家事と通院を両立していたことなど、保険会社を説得した結果、主婦休損の支払いが認められました。

弁護士による事例総括

パートのお仕事をお持ちの兼業主婦の方が事故に遭われた場合、お身体にケガの痛みがあって仕事を休みたくても職場の人に頼まれたり、職場に迷惑をかけたくない等の理由で、出勤せざるを得ない場合もあると思います。

事故によりケガをされた場合は、医師の指示に従い、必要に応じてお仕事をお休みし、治療に専念していただきたいのはもちろんです。しかし、事故後にお仕事をお休みしなかった(お休みできなかった)場合は、保険会社から、「パートができるなら家事もできるはず」との理由から、休業損害の発生を否定されてしまうこともあります。

このような場合、事故による受傷により、家事に影響があったことを丁寧に立証することで、保険会社からきちんと休業損害(主婦休損)の補償を受けることができる場合もあります。

実際に立証が可能かは、事故によるケガの状態や、治療の経過、お仕事の内容、家事の内容、ご家族構成等にもよってきます。それらのお話をお伺いした上で、見通しについてお伝えできればと思います。交通事故被害による主婦(夫)の休業損害でお悩みがあれば、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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