交通事故に関する解決事例 41

被害者の仕事内容を丁寧に説明することで、労働能力の低下と後遺障害との関係を認めてもらい、逸失利益を上乗せして解決した事案

解説弁護士
谷 靖介

K.Nさん・30歳代・会社員

受傷部位
背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
12級13号
傷病名
左脛骨骨折
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
1500万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

ご依頼者のK.Nさんは、横断歩道を歩行していたところ、前方不注意の自動車に衝突されました。この事故により、左脛骨骨折のケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のK.Nさんは入院中、今後の展開に不安を感じたことから、病院に出張相談してほしいとご要望され、担当弁護士が入院先の病院で面会し、治療終了後に受任することとなりました。

相手方保険会社は当初、逸失利益を算定する代わりに慰謝料を非常に低く算定していました。弁護士が介入し、慰謝料を裁判基準で算定するよう求めたところ、逸失利益を否定する姿勢を見せました。

担当弁護士は、K.Nさんの仕事内容及び収入の変化などを把握した上で、逸失利益が認められるケースであると主張、慰謝料を裁判基準に近づけるよう交渉しながら、逸失利益を認めてもらうよう交渉いたしました。

本件のように、等級が12級、部位が下肢の場合、労働能力の低下があるか争われることが少なくありません。特に、デスクワークを中心とした仕事の場合に多く見られます。

K.Nさんのお仕事は、荷物を運ぶ業務が含まれていること、実際に仕事内容が制限されている事情がありましたので、K.Nさんの仕事内容及び収入の変化などを把握した上で、逸失利益が認められるケースであると主張しました。

交渉の結果、相当期間の逸失利益が認められ、1500万円以上の損害賠償額を取得することができました。

弁護士による事例総括

本件では、入院時にご相談を希望されたことで、早い段階から弁護士が助言できました。傷害の内容や状況によっては、被害者が早期に知っておくことが有用な情報があります。

また、本件では主に逸失利益が争われましたが、給与所得者であったこと、体を動かす業務が含まれていることなど、有利な事情が複数あったのも事実です。

保険会社が逸失利益を否定した場合でも、配置転換が著しく制限される、減収が生じているなどのケースは交渉の余地がございます。

どのような事情をどのように使えば認められる余地があるのか、弁護士が判断いたしますので、交通事故被害で示談交渉など不安がある場合、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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