交通事故に関する解決事例 35

速度超過及び前方不注意の自動車に跳ねられた被害者遺族に対し、精神的負荷のないよう丁寧に寄り添い、訴訟での解決と同等の損害賠償額で示談が成立した事案

解説弁護士
谷 靖介

S.Kさんのご遺族・60歳代・会社員

解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
3360万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

S.Kさんは、横断歩道を歩行していたところ、速度超過かつ前方不注意の自動車に跳ねられ、事故の翌日、搬送された病院で亡くなられました。

解決に向けた弁護士の活動内容

S.Kさんの被害者遺族の方は、悲しい気持ちを抱えたまま加害者や保険会社とやり取りすることに苦痛を感じ、また、今後の損害賠償に不安があることからご相談にこられ、受任することとなりました。

通常、被害者が死亡する交通事故が発生した場合、刑事手続が進行し、刑事手続が終わった後に民事手続(示談など)が始まります。

初めて交通事故の被害に遭われる方は、刑事手続と民事手続の相違、一般的な流れなどが分からず不安になります。また、遺族は悲しみを抱えたまま葬儀などの死後の手続をしながら、警察、検察庁、加害者、刑事弁護人、裁判所など、様々な立場の者から連絡を受け、非常に辛い状況になることが少なくありません。

そのため、大まかな流れを説明した後、手続が進むにつれて少しずつ情報をお伝えするように意識し、精神的負荷がなるべくかからないように配慮しました。

保険会社との交渉では、相手から最初に提示された内容は、自賠責保険金を下回るような内容で、具体的には、逸失利益の算定における生活費控除率、及び慰謝料が低いものでした。

一般的に、高齢者(特に独居)の方の逸失利益を算定するにあたり、生活費控除率は高くなることが多いです。

被害者の収入状況(年金・給与など)、同居人の状況、家族からの支援などの事情により、生活費控除率は変動いたします。

本件では、養う相手がいることなどの事情を説明し、高齢者であることをもって生活費控除率を高くすべきでないと主張し、不当な生活費控除率とならないようにいたしました。

また、高齢者の方の慰謝料を算定する際、一部では「残りの人生を享受する時間が短い」ことを根拠として慰謝料を減額すべきと言われています。

相手方保険会社は、当初慰謝料を低く算定していましたので、担当弁護士が近時の裁判例の傾向などを説明し、増額を求めて交渉いたしました。交渉の結果、上記の理論を退け、訴訟と比較して見劣りしない金額の慰謝料が認められました。

このように、担当弁護士が事案の特殊性を保険会社に説明する、訴訟移行時のリスクを交渉材料にするなどして交渉を続けた結果、訴訟での解決と同等の損害賠償額を受け取る示談が成立しました。

弁護士による事例総括

弁護士費用特約が利用できたこと、及びご遺族の方の悲しみや不安が強いことから、事故後間もない段階で受任いたしました。

その後、担当弁護士が刑事弁護人、検察庁などとの連絡窓口を可能な限り引き受けることとしました。また、ご遺族の方の悲しみが深いこともあり、刑事裁判への参加を希望されたため、被害者参加手続についてもお手伝いさせていただきました。

早い段階から受任したことで、担当弁護士が事案を把握することが早期に可能となり、示談交渉の開始を早めることができました。

誰かにご自身の想いや気持ちを伝えることで、わずかでも気持ちが落ち着くこともございます。大切な方を交通事故で亡くされて、お気持ちの整理がつかずにご不安があれば、一度弁護士に相談されることもご検討ください。

交通事故被害による示談交渉は弁護士にご相談ください

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