交通事故に関する解決事例 34

自転車に乗っていた児童と自動車の巻き込み事故において、被害者本人の損害だけでなく、治療に付き添った両親の損害を併せて請求、過失0での示談に成功した事案

担当弁護士
小湊 敬祐

M.Yさん・10歳代・学生

受傷部位
上肢
後遺障害等級
非該当
傷病名
左手舟状骨骨折
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
50万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/自転車(被害者)

ご依頼者のお子さんであるM.Yさんは、自転車で車道を走っていたところ、後ろから走行してきた自動車に接触されて転倒。M.Yさんは転倒時に地面に手をついてしまい、この事故で舟状骨(しゅうじょうこつ)を骨折するケガを負われました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご相談者は、被害者であるM.Yさんのご両親でした。幸いにも当事務所での相談時には、お子様(M.Yさん)の骨折は治癒していました。骨もきれいにくっつき、後遺障害も残らなかったのです。

問題は、M.Yさんの治療のためにご両親に生じた損害でした。治療に付き添えば仕事を休まなければなりませんし、体調のすぐれないM.Yさんを学校まで送り迎えしたこともありました。

交通事故の被害者が児童であったり、重傷であったりして、1人では病院に通えない場合、誰かが通院の付添をする必要があります。

ご自身の仕事を休んで付き添ったような場合(有給休暇の取得も含みます。)には、付添者の収入の減少分を、付添看護費として相手方に請求できる場合があります。

本件でも、病院が遠方にあり児童一人での通院が難しいことなどを説明し、付き添ったご両親の付添看護費を請求しました。

また、M.Yさんは事故当時、学校に通っていました。事故前であれば、片道約1.5kmの道のりを歩いて通学できていたのですが、事故後は体調がすぐれず、1人で通学することが難しくなってしまいました。そのような日は、ご両親が学校まで車で送り迎えをしていらっしゃいました。

この通学費用(自家用車でも補償されます)もまた、交通事故による損害であると考え、実際に送り迎えをした日を特定して請求を行いました。

交渉の結果、それほど大きな金額ではありませんが、全額の支払いを受けることができ、何よりご両親の苦労が報われたことが救いであったと思います。

それでも、相手方は当初、M.Yさんの過失を主張してきましたが、被害者が児童であること、加害者が後ろから追い越してきたことを指摘し、最終的には過失0での示談をすることができました。

弁護士による事例総括

本件は、弁護士費用特約を利用してのご依頼でした。そのため、費用を気にすることなく、細かな請求金額についても時間と手間をかけてじっくりと検討をすることができました。

小さなお子様やお年寄りなどが事故に遭われた場合、被害者のサポートをするご家族などの身近な方にも負担がかかってしまいます。その負担のすべてが賠償金という形でカバーされるわけではありませんが、本件は、その一部だけでも損害として認められた点に意義があると思います。

同様の事案でお悩みの方は、どこまでが賠償の範囲に入るか、一度当事務所にご相談をいただければと思います。

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