交通事故に関する解決事例 147

家事労働を評価せず、休業損害や逸失利益を支払わない保険会社に対し、弁護士がご依頼者の家事労働の実態を主張、当初提案額から大幅に増額することができた事案

担当弁護士
村田 羊成

G.Sさん・70歳代・主婦

受傷部位
体幹背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
8級
傷病名
腰椎圧迫骨折
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
1500万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

ご依頼者のG.Sさんは、歩道がない道路の脇を歩行していたところ、加害者運転の自動車と接触し、腰椎圧迫骨折の大ケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のG.Sさんは、当事務所にご相談に来られた時点ですでに治療を終了し、後遺障害等級8級の認定を受けており、相手方保険会社からは示談提案がされていました。

G.Sさんは高齢で、就労している息子夫婦と同居して、家事に従事している方でした。本件事故により、家事がまったくできなくなってしまっていたところ、保険会社はG.Sさんの家事労働を評価せず、休業損害や逸失利益を支払わない算定をしており、非常に低額な提案となっていました。

当方で、G.Sさんがこなしている家事労働の実態・詳細をヒアリングして、休業損害や逸失利益の主張をしたところ、相手方保険会社は休業損害や逸失利益の支払いに応じ、当初の提案から大幅に増額した金額を獲得することができました。

高齢者の家事労働

専業主婦であっても、交通事故被害にあって家事労働ができなくなった場合には、休業損害や逸失利益(後遺障害が残った場合)を請求することが可能です。このことは高齢者であっても、同様です。

この場合、休業損害や逸失利益の算定における基礎収入は、事故当時の女性労働者の全年齢平均の賃金額と判断されることが一般的です。

もっとも、被害者の年齢や家族構成、事故以前に担当していた家事労働の負担の程度や体調等に照らして、平均賃金額から減額修正されることがあります。

弁護士による事例総括

事例によって、家事労働に関する休業損害や逸失利益を請求できる場合とできない場合があります。その判断は難しく、保険会社が支払わないといえば、被害者側は、そういうものなのかと思ってしまいがちです。

家事労働に関する損害について、少しでも気になったら、弁護士に相談することをおすすめします。

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