交通事故に関する解決事例 146

後遺障害12級13号が認定され、提示の示談金より増額できることが見込まれたため弁護士が交渉し、慰謝料・兼業主婦の逸失利益について大幅な増額が認められた事案

担当弁護士
宮崎 寛之

M.Sさん・50歳代・兼業主婦

受傷部位
下肢
後遺障害等級
12級13号
傷病名
左足関節外果開放骨折
解決方法
紛争処理センター
弁護士費用特約
あり
取得金額
960万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

ご依頼者のM.Sさんは、横断歩道のない交差点を横断していたところ、右折してきた加害車両に左後方から衝突されました。この事故により左足関節外果開放骨折の大ケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のM.Sさんは、左足外果開放骨折の重傷を負いました。

治療が終了し、相手方任意保険会社による後遺障害事前認定の手続きの結果、12級13号が認定され、420万円の提案があったため、その金額が妥当か知りたいということでご来所されました。

算定してみると、500万円~700万円程度の増額が見込まれるのではないかと考えられました。

そこで、増額の交渉を始めましたが、相手方保険会社は、当初請求額から減額した再提案を行ったため、紛争処理センターへあっ旋を申立てることとしました。

まず、過失割合について、保険会社はM.Sさんの過失を25%と主張していました。しかし、事故現場の状況を実況見分調書の内容を踏まえ丁寧に説明し、紛争処理センターでは25%ではなく15%の過失と認められました。

また、M.Sさんはほぼフルタイムで働く兼業の主婦であることから、保険会社は主婦の逸失利益として230万円程度と主張していました。こちらは、パートの就労状況の変化や、実際の家事分担の変遷などを説明し、逸失利益は550万円が認められることとなりました。

過失割合

本件事故現場は丁字路交差点でした。

過失割合がまとめられている別冊判例タイムズ38「過失相殺率の認定基準」には、本件事故と全く同一の事故態様については掲載がなく、過失割合について、基本となる過失割合に争いがありました。

保険会社は、双方の道路幅がほぼ同じであったことを根拠に、別冊判例タイムズ38の【36】図を前提に主張をしていました。

こちらは、丁字路交差点であること、ご依頼者のM.Sさんが横断した道路に一時停止の標識が存在していたことなどから、【35】図を前提とすべきと主張しました。

紛争処理センターでは、当方の主張を認め【35】図を前提に、そこから修正することで過失割合を決定しました。

兼業主婦の逸失利益

ご依頼者のM.Sさんは、事故前はほぼフルタイムで働く兼業の主婦でした(年収200万円未満)。

事故後、後遺障害のため、勤務日数を減らしたことで収入の減少があったものの、それほど高額の減収ではありませんでした。

そのため、保険会社は、ほぼフルタイムで働いているのであるから、逸失利益の基礎収入は、実収入をベースとすべきであると主張し、労働能力喪失率・期間とも後遺障害14級を前提とする金額を主張していました。

当方は、賃金センサス女子全年齢平均である380万円を主張していました。

そして、兼業の主婦とはいえ、事故前の家事はM.Sさんが全て行っていたが、事故後は家族が一部の家事を担当するようになったことを、時系列で丁寧に説明しました。また、後遺障害のため就労日数を減らしたことも併せ主張したところ、紛争処理センターでは当方が主張した基礎賃金が認められました。

労働能力喪失率・喪失率については若干の調整がありましたが、概ね当方の主張が認められました。

弁護士による事例総括

後遺障害の事前認定の結果を踏まえ、保険会社の提示を受けた後にご依頼を受けました。

提示を見たところ、過失割合の提案は妥当だったものの、後遺障害12級、そして長期間の入院をされたにしてはかなり提示額が低いと感じた事案でした。

受任後、交渉段階では、ご依頼者のM.Sさんの過失割合の修正等により、保険会社から逆に提示額を下げられてしまったため、紛争処理センターに斡旋を申し立てることになりました。

M.Sさんには、家事労働や就労状況について整理していただき、資料もご提供いただいたことで、紛争処理センターに対し、有益な資料を提出することができ、結果的に妥当な水準での解決をすることができました。

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