大変重篤な障害を負った事故に対する役員としての損害について、弁護士が適切な立証資料をもとに交渉を行い、役員としての損害も一定程度認められるかたちで示談・解決した事案
- 公開日:
- 2023年8月1日
示談交渉後遺障害休業損害
- 担当弁護士
- 小林 貴行
M.Sさん・50歳代・会社員
- 受傷部位
- 体幹背骨(頚椎・腰椎)
- 後遺障害等級
- 別表1/1級1号
- 傷病名
- 脊髄障害による両下肢完全不随
- 解決方法
- 示談交渉
- 弁護士費用特約
- あり
- 取得金額
- 約1億9000万円
ご依頼者の事故発生状況
- 事故態様
- (加害者)自動車/歩行者(被害者)
ご依頼者のM.Sさんは横断歩道を青信号で横断中、右折してきたタクシーに衝突されました。この事故により脊髄に損傷を負ったことで、重篤な後遺障害が残存する状態となりました。
解決に向けた弁護士の活動内容
本件は、事故直後から両下肢完全不随の状態にあり、重篤な後遺障害が残存することが見込まれる事例でした。
ご依頼者のM.Sさんは、ご自身の勤務先の会社員としての勤務に加え、ご親族様が経営する不動産賃貸業者の会社役員として精力的に活動されていましたが、これが困難となったにも関わらず休業損害として認定されないことに疑問を持ち、弊所にご相談されました。
相手方共済組合が個人タクシー共済ということもあり、会社役員としての損害については困難な交渉が予想されましたが、ご依頼後、社員としてだけではなく、適切な立証資料を収集し、役員としての損害も一定程度認められた形で示談に至りました。
解決に至ったポイント
本件は、訴訟となった場合には役員としての減収について損害認定が容易ではない懸念がありました。そのため、示談の過程で相手方共済に役員としての減収を認めさせ、解決する必要性が高い事例でした。
そこで、「相手方共済の判断を当方に有利とするのに必要な資料は何か。」という観点から役員としての減収を示す資料を集め、主張に沿う形で整理して提示を進めていきました。
交渉の過程においても、訴訟と同様に弁護士が適切に主張・資料提示をすることによって、相手方共済もこれを認めるに至り、ご依頼者であるM.Sさんの意向を踏まえた示談を成立させることができた事例となりました。