過失割合の争いについて、弁護士の活動により、訴訟でご依頼者に有利な過失割合が認定され、訴訟後には人身傷害保険金を請求して過失分の損害も受領・解決した事案
- 公開日:
- 2023年7月25日
訴訟むちうち後遺障害
- 担当弁護士
- 村田 羊成
M.Uさん・60歳代・主婦
- 受傷部位
- 背骨(頚椎・腰椎)
- 後遺障害等級
- 併合14級
- 傷病名
- 頸椎捻挫
腰椎捻挫
- 解決方法
- 訴訟
- 弁護士費用特約
- あり
- 取得金額
- 約280万円
ご依頼者の事故発生状況
- 事故態様
- (加害者)自動車/自動車(被害者)
ご依頼者のM.Uさんが運転する車両は左車線を、加害者が運転する車両は右車線を並んで走行していた際、加害者車両が急に車線変更を行い、M.Uさんの車両に衝突、被害者車両が道路外に押し出されました。
この事故によりM.Uさんは、頸椎捻挫、腰椎捻挫のケガを負いました。
解決に向けた弁護士の活動内容
ご依頼者のM.Uさんは本件事故後、首や腰の痛みが強く、整形外科に通院していました。事故直後から双方の過失割合の認識に違いがあり、M.Uさんは納得がいかなかったため、当事務所にご相談に来られ、受任しました。
交渉段階で保険会社は、一般的な車線変更時の事故の過失割合3:7(当方:相手方)を主張してきました。しかし、M.Uさんから詳しい話を伺うと、被害者側が本件事故を回避するのはかなり困難な状況だったことが分かりました。また、双方車両の衝突部位などから、相手方が主張する事故態様には無理があることも分かりました。
M.Uさんのケガの治療が終了して後遺障害等級併合14級の認定を受けた後に訴訟提起し、詳細な事故態様、双方の速度、走行位置等を的確に主張し、通常の車線変更事故とは態様が異なることを明らかにした結果、過失割合を1:9(当方:相手方)とする裁判所和解案が提示されました。
当方の主張は0:10でしたが、過失分の人身損害は、訴訟終了後に人身傷害保険金から受領できることが分かっていたため、和解での早期解決のメリットを考え、和解に応じました。
人身傷害保険金と過失割合について
交通事故被害に遭った時に請求できる保険金として、加害者の対人賠償保険の他にも、被害者が加入する人身傷害保険があります。
人身傷害保険は、対人賠償保険と重複して受領することはできませんが、ご自身に過失のある事故でも、過失分を穴埋めして受領できることがあります。もっとも、過失分の穴埋めとして人身傷害保険を利用する場合、人身傷害保険金を受領する前後いずれかで、加害者に対する訴訟提起が必要になります。
そのため本件でも、人身傷害保険金の請求に先行して訴訟を提起しました。その結果、数十万円程度の過失分の人身損害について、訴訟後の人身傷害保険金の請求でカバーすることができました。
弁護士による事例総括
本件は、過失割合について一般的なケースから外れていることを主張し、その内容が概ね認められたことから、ご依頼者のM.Uさんに有利な結果を得ることができました。加害者側が主張する過失割合に納得ができないときは、早めに弁護士に相談して見解を聞いてみてください。
また、本件のようにご自身の人身傷害保険を利用して自身の過失分をカバーできないか気になる方は、早めに弁護士にご相談ください。