交通事故に関する解決事例 140

交通事故の回避行動で重症を負い、過失割合で争いが起こったため、弁護士が刑事記録をもとに事故状況を詳細に分析して交渉を重ね、納得のいく示談が成立した事案

解説弁護士
谷 靖介

N.Dさん・40歳代・会社員

受傷部位
下肢
後遺障害等級
14級9号
傷病名
右膝打撲傷
右肩打撲傷
右第2趾基節骨骨折
右母趾MP関節脱臼骨折
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
なし
取得金額
490万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/自動二輪(被害者)

ご依頼者のN.Dさんは、信号のある交差点の先頭で赤信号のため待機し、信号が青に変わったところで直進しました。そこへ加害者車両が強引な右折をしてきたため、N.Dさんは、とっさに衝突回避行動をとりました。

加害者車両との接触は免れたものの、N.Dさんは右母趾MP関節脱臼骨折、右第2趾基節骨骨折等の大ケガを負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

事故直後、加害者はN.Dさんに対し「わざと転んだだろう!」と怒声を浴びせるなど、対応が悪質でした。N.Dさんはすぐ警察に届け出て、人身事故扱いとして刑事手続きを進めました。

その後、N.Dさんは約7か月の治療をし、後遺障害申請をしたところ、14級9号の認定となり、当事務所へお越しになりました。

事故状況からは、双方に過失が生じるものではありましたが、強引な右折は回避が困難であるため、できるかぎりN.Dさんに有利な過失割合で示談となるように、交渉を進めることとしました。

弁護士は、受任後すぐに刑事記録を取得し、過失割合を検討しました。

相手方保険会社は、信号のある交差点での右折と直進の事故であることを理由に、基本的な過失割合は過失相殺が15%になると主張しました。

しかし、N.Dさんが青信号で停止線を越えて直進を開始しているにもかかわらず、加害者車両が強引に右折をしており、直近右折に該当します。このため弁護士はN.Dさんの過失は5%になると主張しました。

交渉途中では、刑事記録のなかで加害者が過失を認めているにもかかわらず、相手方保険会社がこれを否定するなど、不適切な反論もありましたが、最終的にこちらの主張内容で示談が成立しました。

次に逸失利益ですが、後遺障害が14級9号の場合、逸失利益を算出する労働能力喪失期間は5年とするケースが多いです。しかし、いわゆるむちうちによる後遺障害認定のケースと、今回のケースのように骨折を伴うケースでは、症状の継続程度の点で異なるため、より長期の労働能力喪失期間を主張しました。

相手方保険会社の合意を得るには時間がかかりましたが、過去の裁判例や本件の受傷部位に関する資料等を提出し、最終的には喪失期間を10年として合意することができました。

弁護士による事例総括

交通事故の被害者は、事故で大ケガを負ったにもかかわらず、事故直後に加害者から心無い言葉を受けるなど、肉体的にも精神的にもつらい状況に追い込まれることがあります。このような中、警察や保険会社への対応は負担がとても大きく、その後も事故の流れについて説明を受けることがなければ、不安になる方も多いと思います。

昨今は、弁護士費用特約をつけている方も増えてきましたが、特約がついているか否かにかかわらず、事故に遭ったらその後の流れを知る上でも、早めに弁護士へ相談されることをおすすめします。

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