後遺障害等級14級の認定を受けたが疑問に感じ、弁護士が専門医に再調査を依頼したことで12級の繰り上げに成功、12級を前提とした賠償を交渉で獲得することができた事案
- 公開日:
- 2023年6月8日
示談交渉後遺障害異議申立て
- 担当弁護士
- 三浦 知草
K.Iさん・40歳代・会社員
- 受傷部位
- 下肢
- 後遺障害等級
- 12級13号
- 傷病名
- 左脛骨高原骨折
- 解決方法
- 示談交渉
- 弁護士費用特約
- なし
- 取得金額
- 約380万円
ご依頼者の事故発生状況
- 事故態様
- (加害者)自動車/自動二輪(被害者)
ご依頼者のK.Iさんは、バイクで交差点を直進していたところ、右折してきた自動車と衝突しそうになったため、衝突を避けようとして転倒しました。この事故によりK.Iさんは、下肢を骨折するケガを負い、骨接合術の手術を実施しました。治療終了後も、負傷した関節部分に保険会社の事前認定と労災保険で、いずれも後遺障害等級14級が認定されました。
解決に向けた弁護士の活動内容
ご依頼者のK.Iさんは、ケガの治療で手術を行い、大変な思いをしたことからご自身の後遺障害が本当に14級に過ぎないのかに疑問を感じ、当事務所に相談いただき、ご依頼されました。
事前認定では、骨折した部位の癒合は良好で、痛みだけが残っているとの判断がなされていました。この点について異議申立てに先立ち、画像診断の専門医から、「骨折した関節面が正しく癒合しておらず、変形が見られる」と、事前認定で見落とされていた障害の意見が得られました。この意見を前提に異議申立てを行ったところ、後遺障害等級が12級に繰り上がりました。
骨折した部分が完全に癒合して関節面がきれいに治っていたとすると、痛みがかなり強く残っていても等級は14級、労働能力喪失期間は5年程度までとなることが一般的です。
今回は異議申立てにより、単に痛みがあるだけでなく、骨折した部分がきれいに治っていないために痛みが続いていることが認定されたため、喪失期間を15年として逸失利益を獲得できました。
この結果により、12級を前提とした賠償を交渉で獲得することができました。
弁護士による事例総括
自賠責・労災ともに骨癒合が完全であることを前提とした後遺障害等級が認定されていました。ご依頼者のK.Iさまとしては、相談当時も痛みが続いており、自分の体感からすると等級や賠償額が低すぎるような印象はあるけれど、明らかにおかしいとまでは言えないし…という不安を感じていた状況でした。
後遺障害等級が繰り上がるにせよ、現等級が適正であるにせよ、納得の上で先に進みたいというご希望があり、専門医の意見も聞いて進められるという点を評価いただきご依頼に至りました。
もちろん照会の結果、今認定されている等級が適正である、という結論が出る可能性もありますが、本件のように、自賠責調査事務所や労災が認定すべき障害を見逃しているケースもあります。等級が適正かわからない、専門家の意見を聞いてみたいとお考えでしたら、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。