交通事故に関する解決事例 115

自動車の交差点内の事故で、相手方保険会社から4割の過失があるとの主張に納得できず弁護士に相談、状況を丁寧に調べて過失割合を4対6から2対8にして示談した事案

担当弁護士
宮崎 寛之

M.Kさん・40歳代・会社員

受傷部位
背骨(頚椎・腰椎)
後遺障害等級
非該当
傷病名
頚椎捻挫
腰椎捻挫
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
あり
取得金額
190万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/自動車(被害者)

ご依頼者のM.Kさんは信号のない交差点において直進したところ、加害者も右方から直進してきたため衝突しました。この事故によりM.Kさんは、頚椎捻挫、腰椎捻挫の傷害を負いました。

解決に向けた弁護士の活動内容

事故直後から双方保険会社が間に入り交渉・調整を行っていたが、相手方保険会社がご依頼者のM.Kさんに4割の過失があると主張してきたことから、M.Kさんは納得できず、当事務所へ相談にこられ、ご依頼されることとなりました。

信号のない交差点における直進車同士の事故の場合、基本の過失割合は、左方車が4割、右方車が6割とされています。

しかし、どちらかに著しい過失・重過失がある場合には、それぞれ1割・2割過失が増やす修正がなされ、また、見通しが利く交差点では、左方車の過失は1割減らす修正がなされます。

本件では、視界を遮るものの全くない、開けた場所での事故でしたので、見通しが利く交差点であるとして、まず1割過失を減らすことができました。

さらに事故当初、相手方は「ぶつかるまで車が見えてなかった」という発言をしており、M.Kさんがそれをはっきりと聞いていました。また、警察にもそのような説明をしていたようです。

こうした証言から、かなり見通しのよい状態で、また、日中でもあったことから、相手方はほとんど前を見ずに運転していたことがうかがわれました。

そこで、この点も併せて交渉を続け、事故現場の状況も確認したうえで、最終的にさらに過失を1割減らし、2対8という過失割合を前提に示談することができました。

弁護士による事例総括

相手方保険会社は、当初過失割合について、基本の過失割合だけを説明し、修正要素に関して全く説明をしていませんでした。

そのため、ご依頼者のM.Kさんは、「納得がいかない、おかしいのではないか。」という気持ちでご相談にお越しになりました。

結果的に、「普通に考えればこんなに自分の過失が重いはずはない。」という、M.Kさんの感覚が正しいものでした。

ケースによっては、なぜこちらに過失が認定されるのかどうしても納得できない、ということもありますが、「おかしいのではないか。」という感覚は正しいことも多いので、納得のいかない過失割合が提示された場合には、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

ちなみにケガの補償では、また過失割合について協議できますから、「物損ではこの過失割合で納得してくれませんか。」といった提案をされることがあります。しかし、結果的に不利になることがほとんどですので、このようなケースでは物損の示談をする前に弁護士へご相談されることをおすすめします。

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