交通事故に関する解決事例 112

交通事故で骨折して入院、後に心不全により亡くなり事故と死亡の因果関係が不明となったが、自賠責保険の特殊性から救済を受け、示談金を大幅に増額できた事案

担当弁護士
宮崎 寛之

R.Mさんのご遺族・70歳代・無職

受傷部位
上肢
後遺障害等級
非該当
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
なし
取得金額
1580万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

R.Mさんは道路を横断していたところ、脇道から進入してきた加害者車両に衝突されました。この事故によりR.Mさんは、骨折等のケガを負い、入院治療・通院治療をしていたところ、心不全により亡くなりました。

解決に向けた弁護士の活動内容

R.Mさんのご遺族の方に対し、当初、相手方保険会社は、死亡と事故との因果関係を否定し、死亡までの治療期間分の慰謝料のみ算定して示談提示してきました。

しかし、死亡という結果にまで至っており、ご遺族としては到底納得できず当事務所へ相談・依頼となりました。

相手方保険会社に確認すると、自賠責保険への事前認定は行っておらず、相手方保険会社が事故と死亡との因果関係はないと判断したため、低額の提示をしたということでした。

そこで、まずは自賠責保険に対し被害者請求を行い、カルテも取り寄せて提出したところ、死亡について因果関係が不明(あるともないともわからない)という結論となり、死亡した場合の自賠責保険金の半額の支払いを受けることができました。

事故と死亡との因果関係がはっきりしない場合、賠償金を受け取れるか

事故の加害者に対する損害賠償請求が認められるためには、事故と生じた結果(損害)との間に因果関係がなければなりません。

そのため、裁判でも因果関係が「ある」と認められなければ、相手方に対する損害賠償請求は認められません。

しかし、被害者救済を目的とする自賠責保険においては、多少異なった取り扱いがなされています。

つまり、因果関係が「ある」とまでは認められなくとも、因果関係が「ない」ともいえない、因果関係があるかないかわからない場合に、保険金を減額して支払うというものです。

もともと持病があったところ、「事故でお亡くなりになったのか、病気を原因として亡くなったのか、確かなところがわからない。」ということで、この取り扱いによる救済を受けることができました。

R.Mさんがご高齢であったこと、持病が死亡という結果へ影響を与えたであろうことは否定できないことから、この後は訴訟提起をせず、ケガの治療中の慰謝料等を相手方保険会社から追加で受領し、示談となりました。

弁護士による事例総括

本件は、あくまでも自賠責保険の特殊性から救済を受けることができましたが、因果関係に関する一般的な考え方からすると、相手方に対しては請求が難しい事案でした。

それでも、自賠責保険への請求という方法をとったことで、当初の約20万円という非常に低額な提案金額から、大幅な増額を受けることができました。

今回の事例は、どのようなケースにも妥当する汎用性のある事案ではありません。交通事故被害に遭い、示談交渉などで疑問に感じたり理不尽に思う場面があれば、まずは一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

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