後遺障害が認定されなかった交通事故において、弁護士が診断書を丁寧にチェックして正しい診断書作成を医師に依頼、後遺障害の等級認定と適切な賠償金を獲得した事案
- 公開日:
- 2023年6月8日
示談交渉後遺障害主婦(夫)休業損害
- 担当弁護士
- 今井 浩統
G.Uさん・80歳代・主婦
- 受傷部位
- 上肢
- 後遺障害等級
- 14級9号
- 傷病名
- 骨盤骨折
腰椎横突起骨折
多発肋骨骨折
外傷性大動脈損傷
- 解決方法
- 示談交渉
- 弁護士費用特約
- なし
- 取得金額
- 約400万円
ご依頼者の事故発生状況
- 事故態様
- (加害者)原付/歩行者(被害者)
ご依頼者のG.Uさんは、商業施設の立ち並ぶ場所において、お店とお店の間にある横断歩道のない道路を横断していた際、道路を走行してきた原動機付自転車と衝突しました。この事故によりG.Uさんは、骨盤骨折・腰椎横突起骨折・多発肋骨骨折・外傷性大動脈損傷の大ケガを負いました。
G.Uさんはこの事故で緊急搬送され、3か月以上も入院した後、リハビリに通い、定期的に診察を受けたり、多数の病院にて治療を行うこととなりました。
解決に向けた弁護士の活動内容
ご依頼者のG.Uさんは、一定期間治療を継続したものの、最終的に痛み等は残り、症状固定となりましたが、後遺障害が認定されなかったため、当事務所に相談に来られました。
後遺障害の申請には、後遺障害診断書という書類を医師に作成してもらう必要があります。
G.Uさんは多数の病院に通っていたため、相談に来られた時点で複数の後遺障害診断書が作成されていました。しかし、相談時点で見せていただいた診断書には、不適切な記載がある診断書が見受けられましたので、その点の修正をお願いしました。
また、一部の障害については診断書が作成されていなかったため、新たに作成をお願いしました。しかし、大きな病院であったため、どの課のどの医師が診断書を作成するかについて、各部署をたらいまわしにされ、診断書の作成に応じてもらえませんでした。
このため、弁護士が直接病院に状況を確認し、対応の是正を求めたところ、然るべき課の然るべき医師に話が通り、適切な診断書を作成してもらうことができました。
主婦休損について、G.Uさんは高齢でしたが、以前には仕事をしていたこともあり、本件事故当時も主婦業をきちんとこなしており、年齢に比してかなり健康的で、元気に生活をされていました。このため、主婦休損として治療期間に応じた相応の額を獲得することができました。
年齢に比して高額な金額ではありましたが、G.Uさんの生活実態からすれば適切な金額であったと思います。
本件は、人身事故として処理されていましたので、事故の詳細な記録が残っていました。これらの記録を精査し、適切な過失割合にて示談することができました。
警察の記録は、刑事事件としてどのような処理がなされたかで、閲覧できる内容が異なります。複雑な事故状況の場合、このような記録の有無が過失割合の争いに大きな影響を与えますので、警察に人身事故として処理してもらうことは、後の損害賠償請求にとって大切です。
こうして弁護士が対応に入ったことで後遺障害が認定され、それに応じた適切な賠償金の獲得に成功しました。
弁護士による事例総括
後遺障害の申請には、医師の協力が不可欠です。しかし、医師は保険実務には詳しくなく、誤った理解をしている医師も多く見かけます。
今回は、診察してくれていた医師の多くが協力的でしたので、診断書の修正等にも応じてもらえ、適切な後遺障害の等級認定がなされました。
医師によっては、弁護士の働きかけに対して必ずしもこれらの要請に応じてもらえるわけではありません。しかし、丁寧に説明をすることで、医師の協力を得ることが可能となる場合があります。
当事務所では、通院中のご依頼者様に対し、医師との連携方法等についてもアドバイスしております。