相続トラブルの解決事例 42
相続トラブルの解決事例 42
ご依頼者のT.Nさんは、お父様の相続の際、兄弟間で遺産分割調停を行い、法定相続分以上の支払いに応じていました。
その後お母様が亡くなった際、これを気にかけてのことか、お母様は遺言書を作成しており、遺産の大部分はT.Nさんが取得することとなっていました。これを知った相手方からは、度々当該遺言書が無効であるということや、T.Nさんに対する不満、金銭を請求する内容が記載された書面が届いていました。
このような経緯があったにもかかわらず、T.Nさんは相手方に対し、遺産の一部を支払いたいという意向を示しておりました。なお、当該支払予定額は、遺留分侵害額を上回るものでした。
ところが、相手方は法定相続分以上の支払いを求め、一切の話合いに応じなかったため、当事務所にご相談に来られ、ご依頼を受けることとなりました。
従前の経緯及び遺留分減殺請求の時効が経過していることからすると、相手方に対して支払いを提案することの必要性はありませんでしたが、ご依頼者のT.Nさんのご意向を尊重し、時効を援用しつつも一定金額の支払いを提案しました。
ところが相手方より従前と同様、T.Nさんに対する不満や法定相続分以上の請求があり、全く譲歩の姿勢が見られませんでした。このため、上記提案を撤回し、今後一切の交渉を拒絶する旨通知しました。
これ以降、相手方からの連絡がなくなり、本件は解決に至りましたが、こうした相手方の無理筋な行動に対しては、ときに毅然とした請求拒絶の意思表示も大切です。
明らかな遺留分侵害にも関わらず相手代理人が提案に応じなかったため、弁護士が調停を申し立て、当方の主張が全面的に認められ解決した事案
被相続人が他の相続人にすべての財産を遺贈する遺言書を残していたため弁護士が遺留分を請求、ご依頼者の納得いくかたちで早期に解決した事案
被相続人の生前より全く交流のない他の親族との間でスムーズに協議を行い、適正な遺留分の提供を受けることができた事案
不自然な遺言内容に対して弁護士が作成経緯を調査し、紛争が拡大しないよう丁寧に和解調整を進めて適正な遺留分を確保した事案
母親の遺言内容に不自然な点が多いことから弁護士に遺留分侵害額請求を依頼、相続税調整もふまえた適正な遺留分を獲得できた事案
被相続人の預金の無断引出しと相手方に全て相続させる旨の遺言があったため遺留分を請求、相手が無視したため弁護士が訴訟を提起し、ご依頼者が不利にならないよう先手で対応、金銭支払いで和解した事案
遺産総額と同程度の金額の生命保険金を取得していた相手方に、例外的に遺留分の基礎財産に含まれることを前提に遺留分侵害額を請求。協議により、生命保険金の受取金額を遺留分の基礎財産に含めて計算することで合意・取得できた事案
相手方からの開示資料だけに頼らず、遺産の調査をしっかり確認・分析し可視化したことで、ご依頼者の希望するかたちで解決できた事案