相続トラブルの解決事例 61
相続トラブルの解決事例 61
本事例は、被相続人に子がおらず、きょうだいとその代襲相続人が相続人という大変複雑な相続案件でした。さらに被相続人の親が複数回結婚、婚外子もいたことから、相続人は多数だったものの、相続問題が発生するまでつきあいや連絡がほとんどない関係の人も多い状況でした。
こうした複雑な相続問題を抱えていたご依頼者のT.Oさんは、孤軍奮闘で遺産調査や相続人調査を進めていましたが、困難なことも多く、各相続人との協議方法について、どう対応すべきかご相談にいらっしゃいました。
ご依頼者のT.Oさんは、関係者と特段のおつきあいがなく、相続人が遠方に居住している事情もあったことから、遺産分割協議が難しい状況であったため、早々に遺産分割調停を申し立てることとしました。
その後、相続人の関係者が調停に参加される見込みもなかったことから、審判での決着を見据え、相続人全員に対して書面による連絡をして、審判に異議がでないよう丁寧に進めました。
一部連絡が取れない相続人がおり、手続が滞留した時期もありましたが、粘り強く対応したことで関係する相続人から了承を得られ、調停に代わる審判で終了することができました。
ご依頼者のT.Oさんにおいて、相続人の方と従前の関係性がなかったことや、きょうだい関係の特異性から、突然の裁判所からの書類に対して気分を害する方がでてくる可能性を考慮し、調停申立てと並行して各相続人にも相続発生に関する報告書面と、協議に協力を求める旨の連絡を行いました。その後も関係する相続人に情報の偏りが生じないよう、書面での丁寧なやりとりを心掛けました。
関係者同士で不協和音が生じないよう、当職において丁寧な心配りをもって対応を進めたことや、T.Oさんをはじめ各相続人の協力もあり、調停に代わる審判に異議が出ることもなく分割が決定し、解決に至りました。
お互いの関係性が薄い相続人同士の遺産分割においては、疑心暗鬼が生まれるような状況を極力避けなければ審判に支障をきたすと考え、書面作成においても言葉を選んで丁寧に進めたことが解決のポイントになったと言えるかもしれません。
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相続人の1人が行方不明となり遺産分割協議ができない状況のなか、弁護士が不在者財産管理人の選任を申立て、選任された不在者財産管理人と調停を成立させた事案
不動産を全取得したいという後妻の不合理な主張に対し、弁護士が解決に向けた複数の提案と今後の法的な道筋について相手に説明・交渉し、不動産売却益の分割で解決した事案
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隣接する遺産不動産に対立当事者が居住する事案において、ご依頼者の希望どおり遺産不動産すべての取得に成功し、相手方を立ち退かせることに成功した事案
特定の相続人を受取人とする生命保険金について、遺産に組み込もうとする相手方の主張に対応し、ご依頼者の希望通り解決した事案
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他の相続人が被相続人の収益物件から多額の収益を得ていたため、公平な遺産分割を求め弁護士へ相談、調停で弁護士が適切な主張を展開して納得のいく遺産分割を成立した事案
母親の遺産を巡る兄弟間の相続紛争において、調停中にご依頼者を含む当事者が亡くなる状況のなか調停を続行し、無事解決した事案