相続トラブルの解決事例 44

被相続人の養母に面識のない実子がいたため遺産分割協議を弁護士に依頼、弁護士がご依頼者の希望や経緯を丁寧に実子に伝え、ご依頼者の希望に沿う形で解決した事案

解決事例44

担当弁護士
神津 竜平
トラブル内容
遺産分割協議
解決方法
交渉
ご依頼者
Z.Sさん
受任年
2021年
解決年
2022年

ご相談のきっかけ

本件は、約35年前に養子縁組をした養母(以下「被相続人」といいます。)の相続についてのご相談でした。

ご依頼者のZ.Sさんは、被相続人が逝去されてから戸籍を取得したところ、初めて養母に実子がいたことを知りました。養母からは、実子のことを何も聞かされておらず、全く面識のない実子を含めた遺産分割協議に抵抗があり、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

ご依頼者の状況と希望される内容について

ご依頼者のZ.Sさんは、初めて存在を知った養母の実子へ連絡をすることに強い抵抗がありました。

このように、相続人間で連絡を取ることに躊躇いがあり、遺産分割を進められない場合には、第三者的立場にある弁護士を交えることや調停手続きで協議を進めることが有意義であることを提案いたしました。また、Z.Sさんは被相続人を介護するために早期退職をするなど被相続人への貢献もあったため、法定相続分に寄与分を加えた遺産の取得をご希望されておられました。

交渉の経過

受任してすぐに、まずは相続人の範囲を確定するために、現在誰が相続人になっているのか調査しました。遺産分割協議が必要となる実子が2名いることがわかったため、遺産の範囲を確定させて実子2名と協議を開始しました。

協議においては、これまでのご依頼者様(Z.Sさん)と被相続人との深い関係性や長年の介護状況等を説明して、Z.Sさんに全ての遺産を取得させて欲しい旨の提案を行いました。実子は、これまで被相続人の面倒を看てくれたことに対してZ.Sさんに感謝しており、遺産は全てZ.Sさんが取得することに同意してくれました。

当事務所が関わった結果

親族間の背景事情や関係性から他の相続人から協力を得られず、早期に解決できない事案も多々あります。そのため、事件着手時においては、裁判所の手続による解決も視野に入れておりました。

もっとも、当職から、他の相続人に対し、被相続人とご依頼者であるZ.Sさんの長年の生活状況や事情を詳細に説明して、当職からの遺産分割案に納得してもらい、ご依頼から約1年で無事解決に至りました。

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