相続トラブルの解決事例 37
相続トラブルの解決事例 37
ご依頼者のR.Tさんは、遺産である被相続人の預貯金が一部の相続人に生前・死後にわたって引き出されており、相続人同士で連絡を取り合うことに抵抗があったことから当事務所へご相談にこられました。
被相続人の預金の引出しについては、被相続人の意思、関係性、死亡の前後により法的性質が異なります。
話し合いにより解決できるのであれば、その性質による影響はほとんどありません。しかし、裁判所の手続きによる場合には、手続き選択が極めて難しいものとなり、性質によっては時効期間も異なるため、相続事件を専門的に取り扱っている弁護士に相談すべきと考えます。
被相続人が亡くなったものの、ご依頼者のR.Tさんは、相続人間で連絡を取り合うことに抵抗があり、代理人として当職が受任しました。
本件において、相続人の中に認知症の方がおりました。遺産分割手続きを行う場合、後見人等の選任手続きが必要であり、様々な事情から後見人の選任は憚られるとのことでしたので、一時的に遺産分割協議はしないこととなりました。
相手方による被相続人名義の預金引出しについては、被相続人の生前にも行われておりましたが、被相続人の死亡後も続いておりました。生前の引出しについては金額が多くなかったため、最終的な解決として、死亡後の引出しについて法定相続分に相当する金銭の支払いを受けることで交渉を進め、解決することができました。
引き出した預金の法定相続分に相当する金銭を獲得したということだけみると、一見簡単なもののように思われますが、その法的性質や手続き等に鑑みると極めて難しい問題になります。
本件は、遺産全体の解決は行わず、被相続人の預貯金引出しに関する一部の解決で合意したため、その後の権利関係に影響を与えないように配慮したり、権利の消滅を回避するための手段を講じたりと、細やかな配慮も必要でした。
また、本件に直接関係するものではありませんが、今後予定される遺産分割協議に向けて、遺産分割協議までの間に想定される様々な事情に対応するための合意を交わしており、遺産分割協議までのトラブルを回避すべく、事案を踏まえた細やかな解決ができたケースだと思います。
相手方の1人が被相続人の生前に1億円を超える出金をしていたが、弁護士が介入して使途不明金の回収に成功した事案
被相続人の預金が2000万円近く10年に渡り引き出され、弁護士に相談。被相続人が預金を下ろしていない事実を突き止め、適正な遺産分割を行い早期に解決した事案
亡くなった母親の預貯金の使い込みに対して訴訟を提起、金融機関への文書調査嘱託等により証拠を確保し、ご依頼者の請求の大半が認められる有利な和解決着となった事案
親の遺産の使い込みを指摘してきた他の相続人からの主張に対し、領収書を精査し支出を明らかにしたことで不当な使い込みがないことを証明、相手方が要求していた金額からの減額に成功し、和解した事案