相続トラブルの解決事例 23
相続トラブルの解決事例 23
相続発生後、ご依頼者が被相続人の通帳の入出金記録を取り寄せたところ、10年間にわたり、2000万円を超える金員が被相続人の口座から引き出されていることが判明しました。被相続人が自身で使ったとは到底思えなかったため、相談にお越しになりました。
生前の預金引き出しの場合、そもそも誰が引き出したのか、ということが一番大きな問題です。確認すると、被相続人は長期間施設に入っており、お金を使うような生活ではなかったこと(施設利用料は引き落とし)、また、通帳は他の相続人が管理していたとのことでした。
その場合、他の相続人が引き出した可能性が極めて高く、その証明も比較的容易にできる可能性があることから、他の相続人に対し、金銭の返還請求が可能な余地があることをご説明し、ご依頼をお受けしました。
まずは、入出金記録を確認し、出金額を計算しました。続いて、被相続人の入居施設や入院した病院へ弁護士会を通して照会を行い、外出の有無を確認しました。外出していなければ、被相続人が引き出した可能性を潰せるため、通帳を管理していたという他の相続人によってなされたものと言いやすくなります。
結果は、ほとんどの施設から外出をしていないとの回答がありました。相手方は、交渉の初めから自身による引き出しを否定せず、必要経費を算定し、遺産分割の対象となる財産の算定が主たる交渉内容となりました。
預金引き出し事案において最も大切な、「誰が引き出したか」を確定したうえで交渉を進めることができたため、比較的短期間で解決に至ることができました。
「誰が引き出したのか」「いくら引き出したのか」の問題を解決しようとすると、解決には1年以上の期間がかかったであろうと思います。
引き出した金額が争いにならなかったため、被相続人のためにいくらかかったか(介護に関する費用や葬儀費用等)の問題に集中して交渉をすることができ、同様の事案に比べて短期間で解決に至ったものと考えています。
被相続人の預貯金が一部の相続人に引き出された問題で、弁護士がこの相続人と交渉し、死亡後の引出しについて法定相続分に相当する金銭の支払いを受けることで解決した事案
相手方の1人が被相続人の生前に1億円を超える出金をしていたが、弁護士が介入して使途不明金の回収に成功した事案
亡くなった母親の預貯金の使い込みに対して訴訟を提起、金融機関への文書調査嘱託等により証拠を確保し、ご依頼者の請求の大半が認められる有利な和解決着となった事案
親の遺産の使い込みを指摘してきた他の相続人からの主張に対し、領収書を精査し支出を明らかにしたことで不当な使い込みがないことを証明、相手方が要求していた金額からの減額に成功し、和解した事案