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会社破産・法人破産・事業破産

会社破産後の経営者の生活について

経営者の債務整理

中小企業の場合、経営者自身が会社の借金の保証人になっているため、多くの場合、会社の破産手続きに合わせて、経営者の債務整理も必要となります。

経営者の債務整理方法としては、大きく、①任意整理、②個人再生、③自己破産があります。

任意整理は、債権者と借金の減額や利息のカット、分割返済などを交渉するものです。個人再生は、裁判所の手続きで債務の一部免除や長期の弁済条件を盛り込んだ再生計画を基に返済していく手続きです。自己破産は、全ての借金の支払い義務を消滅させる制度です。

会社破産する場合、経営者も連帯保証人として連帯保証債務を1,000万円以上負い、長期での分割弁済が難しいため、この場合は、代表者も同時に破産申立てを進めることが大半です。

裁判所では、会社と代表者の同時破産の申立てを行わないと受付をしないことがあります。会社と代表者間で財産を移動させたり、債権者の権利を侵害する計画倒産を防ぐためです。

経営者の破産と生活再建

会社の破産手続きにより、役員報酬の支払いなども止まり、経営者自身も収入がなくなります。もっとも、会社の破産を進めた後も、経営者の人生は続きます。債務については法的手続きを進めながら、生活再建を進めることになります。生活のため、新しい仕事を探す必要がありますが、就職活動には特に制約がありません。

所有している自宅不動産を会社の融資の担保に入れているような場合、返済の停止によって、自宅の処分が必要になることがあります。任意売却をして自主的に退去する方法や競売にかけられるまで住み続けるといった方法もあります。破産手続きを進めたからといって、自宅から数週間以内に転居する必要はなく、数か月かけて、どこに住むかを決めることになります。賃貸に住んでいる場合はこのような問題は起きません。

経営者が自己破産を行っても、個人資産のうち、生活に必要な最低限のもの(99万円以下の現金・古い車・少額の保険解約返戻金、掛け捨ての保険など)は残せます。また、銀行口座(キャッシュカード)の保有も可能です。

家族の財産については、破産によっても影響は生じません(破産直前に名義を変更したり、贈与したような財産隠しのケースでは別)。また、破産手続き開始後、新たに得た収入などは、自身の財産とすることができます。

経営者保証に関するガイドライン

平成26年2月1日に運用が始まった「経営者保証に関するガイドライン」(経営者保証ガイドライン)によって、破産を回避して保証債務を処理しつつ、連帯保証人となっている経営者が破産手続きを利用する場合よりも、多くの財産を手元に残せる場合があります。

経営者保証ガイドラインは、法律のように強制力はありませんが、金融機関に遵守することが期待されています。

経営者保証ガイドラインの活用によって、債権者にも一定の経済合理性が認められる場合には、債権者の回収見込額の増加額を上限として、一定期間の生計費、華美ではない自宅などの経営者の資産に含めることができる可能性があります。利用には一定の要件があり、保証債務の弁済計画案に債権者の同意を得る必要があること、保証債務以外の債務は弁済しなければならないことなどとなっています。また、自宅に担保権が設定されていれば、別途処理する必要があります。

経営者保証ガイドラインによる保証債務の整理をご希望の場合は、ご相談ください。

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