浮気・不倫の慰謝料請求や離婚の検討において有利になる証拠とは?
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浮気・不倫の慰謝料請求について
パートナーに浮気・不倫の不貞行為が発覚した場合、ケースはさまざまありますが「相手に対して慰謝料を請求して責任をとらせたい」、「パートナーと今後も婚姻生活を維持するのは困難」と考え、行動に移される方が多いと思います。
しかし、浮気・不倫の慰謝料請求にしても、不貞行為による離婚の検討にしても、相手がこうした事実を否定した場合、ご自身で浮気・不倫の不貞行為の事実を証明していかなければなりません。
ここでは、浮気・不倫の慰謝料請求や離婚の検討において、有利となる証拠にはどのようなものがあり、どのように収集していくべきかについて解説します。
- この記事の内容
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浮気・不倫の不貞行為が認められるための具体的な内容とは?
不貞行為は、既婚者が配偶者以外の相手と自由意思に基づいて性交渉を行った場合に認められます。
基本的には性交の存在が必要ですが、性交類似行為(手淫、口淫、一緒に風呂に入るなど)も不貞行為に含まれ得るといえます。
また、不貞相手の側が、性交渉の相手が既婚者であると知っていることが必要です。
浮気・不倫の不貞行為が認められにくい内容とは?
性行為・性交類似行為以外の交際は、通常は不貞行為とは認められません。
例えば、以下のような内容は、その事実のみをもって不貞行為と認められる可能性は低いといえます。
- こっそり面会している
- 手をつないでデートしている
- キスやハグをしている
- 「好き」「愛している」などのやりとりをしている
浮気・不倫の不貞行為の立証にあたり、有効となる証拠とは?
不貞行為の立証をするうえで、以下のようなものは有力な証拠となります。
- 当事者2名が一緒にラブホテルに入っていく写真や動画
- 一方の当事者が「性行為」「不貞行為」を認める念書・メール・録音
- 性行為や一緒に宿泊したという事実が記載されたメールのやりとりなど
- 中絶同意書のサイン
- 男性側による子の認知やDNA鑑定書など親子関係を推認させるもの
- 同棲の事実がわかるもの(住民票など)
- ラブホテルのレシート(持っていた側の不貞行為を推認させます。)
- 自宅など、一晩中2人でいたことがわかる興信所調査など
いずれも性交渉があったことを強く推認させる証拠となります。
浮気・不倫の不貞行為の立証にあたり、有効性が低い証拠とは?
以下のような証拠は、それのみでは不貞行為の証拠として弱いものといえます。
- テーマパークやカラオケなどに同行している写真や動画
- 手をつないだり、身体を密着させている写真やプリクラ
- 自宅に一緒に入るところ、または自宅から出るところのみで滞在時間が不明の写真や動画
- 短時間の自宅滞在の写真や動画
- 携帯の通話履歴
- 待ち合わせや面会の約束のみのメール
- 「好き」「昨日は楽しかった」などのメール
- 曖昧な表現での謝罪(「傷つけることをしてしまった」「お付き合いしていた」「浮気してしまった」「異性として見ていた」など)
以上で挙げたような、不貞行為(性交渉)を推認される力が弱い証拠しかない場合には、裁判で不貞行為を立証することは難しいと言わざるを得ません。
もっとも、これらの証拠「しか」ない場合には不貞行為を証明できませんが、こうした証拠が一切役に立たないわけではありません。
例えば、「旦那さんには悪いと思うけど」というメールが不貞相手から妻に送信されているという事実だけでは不貞を証明できませんが、他方で、相手方から「既婚者と知らずに性交渉をした」という反論が出ている場合には、同じメールが有力な証拠となります。このように、単独では不貞を推認される力が弱い証拠であっても、相手方の不合理な主張に反証したり、他の証拠を補完したりする役割を担うことがあります。
また、配偶者を相手どって離婚訴訟を行う場合、婚姻を継続し難い重大な事由の存在を証明することになりますが、別居や性交渉がないことなどと併せて、他の異性と親密にしていることを、離婚事由として主張することも考えられます。
集めた証拠がどのような形で役に立つかは、不貞相手や配偶者の出方次第ですので、不貞を直接推認される強い証拠以外にも証拠は広く集め、不貞慰謝料請求・離婚問題が決着するまでは保管しておくようにしましょう。
有効性の低い証拠しか集められない場合の対応について
手元に証拠が十分に集まっていないのであれば、不貞相手に慰謝料請求の意思を示す前に、追加の証拠集めを試みるようにしましょう。メールや写真などの客観的な証拠の他、いずれかの当事者に不貞行為を認めさせた念書やメール、録音も証拠になります。
不貞行為を推認される力が弱い証拠しか集まらなかった場合でも、不貞相手や配偶者が不貞行為を認めてくれる場合には、慰謝料を支払ってもらうことができます。したがって、証拠を集められるだけ集めたら、慰謝料を請求してみるのも1つの方法です。
一方で、不貞相手と配偶者とが共に不貞行為を否認する場合には、交渉や裁判で慰謝料を支払ってもらうことは困難ですので、新たな不貞行為があった場合などに粘り強く証拠を集めるほかありません。
不貞行為の立証に向けた証拠収集においての注意点
不貞行為を証明するために、何としても有力な証拠を手に入れたいと思うのは当然の心境ですが、違法な証拠集めになってしまうことは避けなければなりません。
以下のような証拠収集は、違法行為に当たる可能性があります。
- 配偶者のLINEやSNSのアカウントに勝手にログインして情報を得る
他人のアカウントに勝手にログインする行為は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」に違反し、刑事処分の対象になり得ます。
なお、スマートフォンやパソコンの本体に保存されている情報を勝手に閲覧することは、不正アクセス禁止法違反には当たらず、刑事処分の対象ではありません。もっとも、プライバシーの侵害に当たる可能性があります。
- 無断で配偶者の持ち物や車両にGPS発信機をつける
配偶者の所持する持ち物や車などに、無断でGPS発信機をつける行為は、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」に違反するおそれがあります。
なお、車両が夫婦の共有物(慰謝料請求者も所有者であるもの)の場合や、もともとGPS機能の搭載されているドライブレコーダー等のデータを取得することはストーカー規制法違反には当たりません。
- 「認めないと会社にばらす」「慰謝料を支払わないなら、あなたの配偶者に言う」等と告げて不貞行為を認めさせる
不貞相手が不貞行為を認めない場合に、不貞の事実を勤め先などに暴露するという発言は、不貞相手の名誉に対する害悪の告知として、脅迫罪に当たるおそれがあります。
さらに、不貞相手の配偶者や職場に不貞を暴露する等と告げて、不貞相手に恐怖を感じさせ、慰謝料を支払わせた場合、恐喝罪に該当する可能性があります。
また、同様に「会社にばらされたくなかったら土下座しろ」等、名誉に対する害悪を告知して、義務のないことを強いた場合には、強要罪に当たる可能性があります。
- 自宅等に不貞相手を呼び出して不貞を認めるまで退去させない
不貞相手を自宅等に呼んで話をすること自体に法的な問題はありません。しかし、不貞の事実を認めるまで帰宅させないようにするなど、自由に退去できない状態にすることは、監禁罪に当たる可能性があります。
- 不貞相手の自宅を訪問して不貞を認めるまで退去しない
自宅に呼ぶ場合と同様、不貞相手の自宅を訪問して話をすること自体には法的な問題はありません。しかし、不貞相手が自宅への立入りを拒んでいるにもかかわらず無理に自宅へ入れば住居侵入罪に、帰ってほしいと言われているのに退去しない場合には不退去罪に当たる可能性があります。
- 不貞相手の職場に訪問や電話をし、不貞行為の事実を告げる
「おたくの社員の誰々が不貞をしている」といったことを不貞相手の職場の人などの第三者に告げる行為は、名誉棄損罪に当たる可能性があります。
違法な証拠収集をすることのリスク
違法な手段で証拠収集を行うことは、慰謝料を請求する側にとってリスクが大きいといえます。
- 刑事罰を受けるおそれがある
証拠収集の手段が刑事法に抵触するようなものであれば、証拠収集を行った人は刑事罰を受ける可能性があります。特に悪質性の方法での証拠収集を行った場合には、逮捕されてしまったり、罰金刑や懲役刑を受けることもないわけではありません。
- 証拠能力を否定されるおそれがある
違法な手段で収集された証拠は、慰謝料請求訴訟のなかでも証拠能力が認められなくなるおそれがあります。民事裁判は、刑事裁判に比べると違法収集証拠に対して厳格な規律をしていないのですが、証拠収集手段の違法性が大きい場合には、その手段で収集された証拠は裁判から排除されてしまい、事実認定に用いることができなくなってしまいます。
- 民事裁判が乱戦化しやすくなる
違法の程度が軽い場合には、その証拠は裁判の中で証拠能力を持ちます。もっとも、証拠の違法収集は、不貞相手の敵対感情を高めることになり、和解などでの早期決着が難しくなります。さらに、逆に不貞相手から名誉棄損などの損害賠償請求を起こされる可能性も高まり、裁判が乱戦化しやすくなります。紛争の適切な決着をつけるためにも、違法な手段での証拠収集は避けるようにしましょう。
探偵事務所へ証拠収集を依頼するメリットと注意点について
配偶者が不貞行為をしていることの確証がある場合でも、ご自身ではなかなか証拠を集められないことがあります。このような場合、探偵事務所(興信所)に依頼をして証拠を集めることも方法の1つです。
探偵事務所では、ご自身では難しい長時間の張り込みや尾行を行うことができるため、ラブホテルに配偶者と不貞相手とが一緒に入る写真を撮影したり、不貞相手を特定したりしてくれることがあります。
もっとも、確実に証拠写真を取得しようとすると、探偵の活動期間は長期化しやすくなり、費用が高額になることも多くなります。一方で、費用を抑えるために活動期間を限ると、証拠価値の高い証拠を集められないこともあります。
裁判では、探偵事務所の調査費用の一部を損害として認定している例もありますが、探偵事務所の調査が不貞行為の証明に必須とはいえないなどの理由で損害には当たらないとする裁判例もあり、確実に不貞相手から調査費用を回収できるわけではありません。
また、探偵業法その他の法令を遵守して業務を行っている事務所が大多数と考えられますが、中には悪質な業者もいないわけではありません。
探偵事務所に依頼を行う際には、費用見積もりなどをきちんと出してもらい、必要性と費用のバランスを検討することが必要です。
有利な証拠を収集することができた場合の慰謝料請求の流れや注意点
これまでにお伝えした有利な証拠を収集することができた場合、相手に対しての慰謝料の請求やパートナーに対して離婚の請求を進めるにはどのような流れになるのか見ていきましょう。
「内容証明郵便」などで慰謝料請求を行う
不貞慰謝料請求は、交渉から始めるのが一般的です。請求の方式に特に決まりはありませんが、弁護士であれば通常、「内容証明郵便」を用いて通知書(請求書)を送付します。
請求金額は、自由に設定して構いませんが、初回請求は300万円程度とする例が多くみられます。不貞期間が長い・悪質性が高いなどの事情がある場合には、より高い金額で初回請求を行います。
慰謝料を支払う意思を示す場合には、示談合意を目指す
請求相手(不貞相手または配偶者)が、不貞の事実を認めて慰謝料を支払う意思を示す場合には、金額その他の示談条件の交渉を行います。
示談金額に明確な相場はありませんが、不貞行為が原因で離婚に至った場合には300万円程度が目安で、婚姻関係を続ける場合には300万円より低くなります。その他、相手方の支払い能力などを考慮して金額や支払方法(いつを期限とするか、一括か分割か等)を定めます。
また、示談の条件としてよく設定されるのは、謝罪、配偶者への接触禁止、口外禁止などです。
慰謝料の金額・示談の諸条件が合意できた場合には、示談の合意書を作成します。合意書は、当事者双方が署名押印をすることで効力を生じますが、慰謝料支払いがきちんとなされるかに不安がある場合には、「公正証書」の合意書を作って、改めて裁判を経ることなく強制執行ができるようにすることもあります。
交渉がまとまらない場合には裁判を行う
交渉をしても金額や条件で折り合えない場合や、相手が不貞行為を否定する場合、請求が無視された場合などには、不貞慰謝料請求訴訟を行って、慰謝料の獲得を目指すことになります。
不貞相手のみを被告としてもよいですし、不貞相手と配偶者を共同被告としても構いません。
裁判では、不貞行為自体に争いがない場合には、比較的早い段階で裁判官から和解についての話がなされ、訴訟上の和解(裁判官が主導しての和解)によって事件が終結することも多くあります。
「和解」という言葉から、不貞相手を許すというニュアンスを感じて抵抗を感じる方もおられるかと思いますが、法的な意味での和解は、お互いに譲歩して紛争をやめる合意をすることを意味し、「不貞相手を許す」、「配偶者と仲直りをする」という趣旨のものではありません。
和解は判決と異なり条件調整がしやすく、被告が任意に支払いに応じる可能性も高くなります。
被告が不貞行為自体を争う場合や、「既婚者と知らなかった」「性交渉はしたが、原告の配偶者による強制性交である」「原告の婚姻関係はすでに破綻していた」などの主張が出る場合には、当事者双方が主張と証拠を出し合って、審理を進めることになります。
重大な争点について対立があり、和解ができない場合、尋問によって事実を明らかにする場合もあります。
証拠調べが終わると、裁判官から心証(現時点での勝訴・敗訴や金額の見込み)を開示して和解の話がなされます。和解が整わない場合には、判決で結論が出されます。
不貞慰謝料請求を行う場合の注意点
不貞慰謝料請求を行いたい場合に、怒りに任せて請求や裁判に突き進んでしまうと、思わぬ結果を招くこともあり、注意が必要です。
- 立証責任は請求をする側にある
裁判では、不貞慰謝料請求が認められるために必要な事実は、すべて請求する側(原告側)で証明しなければなりません。この「立証責任」の考え方は、裁判に慣れていないと馴染みにくいものですが、民事裁判の共通ルールです。
したがって、裁判官が「不貞行為はあったかもしれないし、なかったかもしれない」という心証を持った場合、原告敗訴の判決が出されることになります。
このため、特に請求を行う側は、裁判で勝てるだけの証拠を集めることが重要です。
- いわゆる「W不倫」の場合、紛争が激化しやすい
不貞を行っている当事者双方に配偶者がいる、いわゆる「W不倫」の場合、紛争が激化しがちです。
特に、夫婦関係が継続していて家計も同一の場合、紛争が拡大しやすいといえます。夫婦Aの妻と夫婦Bの夫が不貞関係にあった場合、夫婦Aの夫から夫婦Bの夫への慰謝料請求をきっかけに、夫婦Bの妻から夫婦Aの妻への慰謝料請求がなされるといったことがしばしば起こります。
不貞相手にも配偶者がいる場合には、ご自身の配偶者も慰謝料請求を受ける可能性があることには留意しておきましょう。
- 配偶者が不貞相手側に味方することがある
不貞行為により離婚に至ったようなケースでは、ご自身の元配偶者が裁判で不貞相手側に味方してしまうこともあります。不貞をされた側としては怒りを感じる事態といえますが、このようなケースも想定して、万が一元配偶者の協力が得られなくても裁判で戦えるだけの証拠を準備することが重要です。
- 不貞相手への請求は時効に注意する
不貞慰謝料請求権は、損害および加害者を知ったときから3年で時効にかかります。
先に配偶者との間で離婚調停・離婚訴訟を行っているようなケースでは、手続き終了までに、不貞行為発覚時から3年以上を要することもあるため、うっかり不貞慰謝料請求権を時効にかけないよう注意が必要です。
ちなみに、特に時効に注意が必要なのは、不貞相手に対する請求です。配偶者に対する請求は、「離婚慰謝料請求権」という形をとることができ、離婚した時をスタート時点として3年で時効にかかります。
- 不貞慰謝料額に「相場」はない
不貞慰謝料には、いわゆる「相場」はありません。交通事故や労災事故の慰謝料は、ケガや後遺障害の重さで基準額が定められていますが、不貞慰謝料には、「不貞の回数が何回の場合には慰謝料〇円」というような、算定要素の基準はありません。
そのため、慰謝料額の決定は、担当する裁判官の裁量によるところが大きいといえます。もちろん、類似の事案から極端に離れた金額が提示されることは少ないですが、ある事案でいくらを認める判決が出るかの見通しをつけるのは非常に難しいといえます。
そのため、示談交渉を打ち切って裁判を行った場合に、必ずしも思うような増額ができない可能性もあります。
- 勝訴しても支払いを受けられない無資力リスク
勝訴判決を獲得する、イコール、お金を支払ってもらえると考えておられる方も多いですが、被告が財産を持っていなければ、判決は絵に描いた餅になりかねません。
強制執行をするとしても、強制執行できる対象は被告自身の所有する財産のみであり、家族が持っている財産からの支払いや、借り入れを行っての弁済を強いる手段はありません。
被告に目ぼしい財産がなさそうであれば、無理に勝訴判決を取るよりも、交渉や裁判上の和解で分割払いなどを選択する方が、最終的な受取金額が増える可能性もあります。
離婚を検討するのであれば、請求に向けて準備をする
不貞行為は、民法770条1項1号の離婚事由に当たります。不貞行為の事実を証明すれば、配偶者が離婚を拒否する場合であっても、離婚訴訟を行って離婚することができます。
逆に、不貞をした側の配偶者は「有責配偶者」に当たります。有責配偶者からの離婚請求は原則として認められませんから、不貞をされた側は無理に離婚に応じる必要はありません。
また、不貞行為そのものの証拠が集められず、他の異性と親密であるという程度しか証明できない場合でも、例えば、「すでに何年か別居をしている」、「配偶者が異性との遊興費のために借金をしている」といった他の事実と併せて「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)という離婚事由に該当する場合もあります。
相手方配偶者の不貞行為のせいで婚姻生活が破綻したのであれば、配偶者に離婚慰謝料を請求することができます。
また、婚姻関係を続ける場合に比べ、婚姻関係が破綻し離婚した場合の方が、不貞相手に請求できる慰謝料額も高くなります。
なお、不貞慰謝料と離婚慰謝料は、内容が重なるので、例えば先に不貞相手から不貞慰謝料の支払いを受けた場合には、離婚慰謝料の金額が調整されます。
このように、慰謝料請求という観点から見ると、離婚をしている方が有利な金額になる可能性が高いといえます。
もっとも、不貞・離婚問題の際に支払いが発生する金員は、慰謝料だけではありません。
例えば、婚姻関係を維持したまま別居している場合、婚姻費用(夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用)をもらうことができます。他方、離婚した後にもらえる養育費(未成熟子が自立するまでに必要な費用)は、婚姻費用よりも低額であり、毎月数万円の減額になります。特に、配偶者の収入が高く、ご自身の収入が低い場合には、婚姻費用と養育費の差額は無視できない金額です。
また、離婚を急ぐあまり財産分与の調整をおざなりにしてしまうと、本来もらえるはずの金額よりも少ない金額で離婚してしまうこともあり得ます。
配偶者が不貞を行った場合、離婚をするか・しないかを決定できるのは、不貞をされた側ですが、離婚には慰謝料以外にも考慮すべき様々な要素がありますので、慎重に検討する必要があります。
不貞行為の慰謝料請求や離婚を検討する場合、一度弁護士に相談する
不貞問題では、不貞慰謝料請求と離婚請求の両方を行いたいと考える方も多いですが、いつ、誰に、どのような請求を行うのが最もよい結果になるかは、ケースによって様々です。
弁護士に相談することで、今ある証拠を使った場合どの程度勝訴できる可能性があるのか、どのような段取りで手続きを進めるのがベストかといった点を分析・整理して請求を行うことができますので、請求を検討する場合には弁護士に相談してみましょう。
また、不貞相手や配偶者の側が弁護士をつけてきた場合、相手方ペースで手続きが進んでしまうのを防ぎ、こちらの正当な請求をきちんと通すためにも、一度弁護士に相談することをおすすめします。
離婚・不貞に関する問題は弁護士へご相談ください
この記事の監修
離婚・不倫は、当事者の方を精神的に消耗させることが多い問題です。また、離婚は、過去の結婚生活についての清算を図るものであると同時に、将来の生活を左右するものであり、人生全体に関わる問題といえます。
各問題を少しでもよい解決に導き、新しい生活をスタートさせるお手伝いができれば幸いです。
弁護士三浦 知草
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上野法律事務所
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