相続トラブルの解決事例 50
相続トラブルの解決事例 50
ご依頼者のT.Kさんは、被相続人の生前に死因贈与契約を締結した受贈者の立場におりました。また、T.Kさんの親族の1人(以下「Aさん」といいます。)が被相続人の面倒をみて、被相続人から財産の管理を任されていました。そして、T.KさんはAさんをサポートする形で被相続人の面倒をみていました。
T.Kさんは、被相続人の相続人から、生前に被相続人の預金口座から出金した3900万円を返せと主張され、裁判を起こされました。
当職がご依頼者のT.Kさんから伺った事情や裁判における証拠資料からすると、T.Kさんが被相続人の預金3900万円を出金したことを証明する直接証拠の存在が明らかになりました。
すなわち、当方としては極めて不利な客観証拠の存在が明らかになりました。こうした不利な証拠を前提としながらも、当方に有利なストーリーを法的に構成するために、第三者機関への調査、被相続人及び亡Aさんが残した手帳、メモ、領収書等あらゆる客観資料を証拠請求し、抗弁事実を積み重ねて当方の立証を尽くしていきました。
ご依頼から解決までに5年以上の期間を要しましたが、結果として、第一審及び控訴審ともに原告の請求は全部棄却され、当方の全面勝訴で事件を終了させることができました。
本件において、当方に不利な直接証拠がありながらも全面的に勝訴できたポイントとしては、直接証拠自体を争うものではなく、直接証拠から証明される事実を前提としながらも、その事実と両立しえる新たな事実を主張・立証するために新たな事実を推認しえる証拠を粘り強く積み重ねていき、原告の主張を排斥できたことにありました。
原告の立場なのか被告の立場なのかによって、いかなる法的構成や反論が必要かどうかは、同じ事件類型でも事案によって個別具体的に考えていかなければなりません。当事務所は相続案件及び相続派生紛争案件を多く取り扱っておりますので、お困りの方はお気軽にお問い合わせいただければと思います。