相続トラブルの解決事例 39
相続トラブルの解決事例 39
本件は父親(以下「被相続人」といいます。)の相続についてのご相談でした。相続人らは、銀行に遺産整理業務を依頼したものの、当該銀行における遺産整理業務によっては、遺産分割協議の成立には至りませんでした。そして、相続人の一人によって遺産分割調停が申立てられたことから、調停対応のため、当事務所へご相談にいらっしゃいました。
ご依頼者のJ.Hさんは、不動産を他の相続人と共有取得することは避けたいとの考えが強く、また、株式と預貯金を取得したいとの強いこだわりを有しておりました。他の相続人からは、誰も取得を希望しない不動産は公平に相続人全員で共有取得にすべきとの主張も当然ありました。
しかしながら、他の取得遺産の評価額を調整するなどして、他の相続人を説得することにより、調停手続で比較的早期に、かつ、ご依頼者様の希望どおりに解決することができました。
本件においては、当職の受任時には、すでに遺産分割調停がはじまっており、遺産の範囲に関する資料は揃っていたため、主には、遺産の評価額及び分割方法が問題となりました。
そして、遺産には、預貯金や株式のみならず不動産も多数あったところ、ご依頼者のJ.Hさんは、不動産の取得を希望せず、預貯金及び株式の取得を希望しておりました。
したがって、本件においては、ご依頼者の希望に沿った遺産取得で解決できるかが重要でした。調停においては、ご依頼者様が不動産を取得せずに預貯金と株式を取得することにつき、その必要性や合理性を一貫して主張することにしました。
その結果として、ご依頼者様が希望していたとおり、不動産は取得せずに、預貯金と株式の法定相続分を取得する内容で解決するに至りました。
本件では、遺産分割調停からご依頼をいただき、調停手続内で調停委員の協力を得ながら他の相続人をいかに説得できるかがポイントでした。
調停手続きをご自身で行っていた場合には、逆に相手方の有利な内容に説得されてしまうことも考えられます。
また、調停が不成立になった場合には、審判に移行することになりますが、審判では扱えないテーマもあったりと、調停段階においても審判に移行した場合の見通しや、リスクも検討しながら進めていくことが必要となります。
こうした検討を入念に行い、見通しを他の相続人にも共有することにより、比較的早期に調停手続きで解決するに至りました。
ご依頼者が他の相続人に不当利得返還請求を求められた遺産分割において、弁護士が訴訟でご依頼者の求める遺産分割の妥当性を主張し、判決でも認められた事案
隣接する遺産不動産に対立当事者が居住する事案において、ご依頼者の希望どおり遺産不動産すべての取得に成功し、相手方を立ち退かせることに成功した事案
特定の相続人を受取人とする生命保険金について、遺産に組み込もうとする相手方の主張に対応し、ご依頼者の希望通り解決した事案
他の相続人が被相続人の収益物件から多額の収益を得ていたため、公平な遺産分割を求め弁護士へ相談、調停で弁護士が適切な主張を展開して納得のいく遺産分割を成立した事案
母親の遺産を巡る兄弟間の相続紛争において、調停中にご依頼者を含む当事者が亡くなる状況のなか調停を続行し、無事解決した事案