相続トラブルの解決事例 36
相続トラブルの解決事例 36
被相続人の生前、遺産となる収益物件の収入や支出を他の相続人が全て管理していたため、生前の収益の処理や、遺産分割が公平になされるのか不安となりご相談にお越しになりました。
被相続人が所有する財産からの収益(典型例は賃料収入)を、他の相続人が管理し、自身の生活費等に充てていたというケースでは、被相続人と他の相続人との間での合意の有無や、相手方の対応によって解決ルートが異なります。
被相続人との間での合意があれば特別受益の問題として遺産分割調停→審判という手続きで進みます。他方、合意がない場合は特別受益ではなく、不当利得(不法行為)であるとして不公平を是正していきます。相手方が遺産分割手続きの中で精算することに同意すれば遺産分割調停の中で話が進みますが、同意しない場合、不法行為や不当利得を理由に訴訟を提起しなければなりません。
本件では、相手方が得ていた収益がかなりの額に及んでいたことから、協議で時間を使うことはせず、調停を申し立てました。
調停では、特別受益ではなく不当利得に該当することを前提とし、相手方も遺産分割手続きの中で自身が得ていた収益の精算をすることに同意しました。
そのため、調停では、相手方が当方にいくら支払うかをメインの争点として進めることができました。
結果、現存する遺産の分割に加え、相手方が得ていた収益の精算の趣旨を含めた遺産分割調停を成立させることができました。
まず、被相続人の確定申告書や関係者間の契約書等から、相手方が得ていた金額を確定させました。
その上で、相手方が主張する必要経費等について分析し、必要性が認められるものと認められないものとを区別して、最終的な相手方の利得額を算出しました。
相手方は、収益物件の取得を希望したため、収益物件を相手方が取得することに対する代償金に加え、相手方の利得額から法定相続分に応じた金員の支払いを求めました。
最終的に、ご依頼者のM.Rさんは一部不動産を取得した上で、相手方が取得する収益物件の代償金+α(数千万円)の支払を受けることができました。
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母親の遺産を巡る兄弟間の相続紛争において、調停中にご依頼者を含む当事者が亡くなる状況のなか調停を続行し、無事解決した事案