相続トラブルの解決事例 30
相続トラブルの解決事例 30
ご依頼者のM.Sさんは、別の弁護士に依頼をして遺産分割協議を進めておりましたが、法定相続人と2年以上も連絡をとることができず、打つ手がなくなったことから当事務所へご相談にこられました。
今回の遺産分割協議では、法定相続人と連絡がとれないことから、相手方の関与を要しない裁判所での手続きを検討しなくてはなりませんでした。そのため、調停の申立てに向けて必要書類の収集を含め、事前の準備が必要となります。裁判所が絡む手続きは、弁護士でなければ書類をそろえることが難しいケースもあり、今回は調停申立て前の弁護士の活動がひとつのポイントとなりました。
ご依頼者のM.Sさんは、私とは別の弁護士に依頼をしており、当該弁護士が相手方に書面を送るなどしておりましたが、2年以上も連絡が取れておりませんでした。ご依頼者自身が相手方の住所を訪れると、人が暮らしている形跡はあるものの、相手方本人と会うことができず、依頼中の弁護士がもう手がないということで、当事務所にご来所され、ご依頼いただきました。
「相手方本人と連絡が取れない」とのことでしたので、必要書類取得後、早速調停を申し立てました。審判による解決を予定しておりましたが、手続き的なメリットを考慮し、調停から審判へ移行させることを考えていたため、あえて審判の申立てはしませんでした。
第1回調停期日前に、裁判所からの通知に驚いた相手方から私に連絡があり、第1回調停期日には出席するとのことでしたが、結局相手方は出席しなかったため、裁判所と協議し、第2回調停期日にて調停を終結させ、審判に移行することとなりました。しかし、第2回調停期日に相手方が出席してきたため、即日、調停を成立させました。
今回の遺産分割協議において、私やご依頼者のM.Sさんが相手方と詳しくお話をする機会はありませんでした。相手方は、被相続人とご依頼者に経済的な迷惑をかけており、遺産をもらう気はないと過去に宣言していました。そのため、遺産は受け取れないものと考え、手続き参加に消極的であったのではと考えています。
第1回調停期日後、私から、調停に出席してほしいことと、出席が難しければ遺産の一部を支払う内容の遺産分割協議書にサインをして送り返してほしいことを記載した書面を送っておりました。そうしたところ、相手方は、第2回調停期日に出席し、遺産の一部を現金で支払ってほしいと要求してきました。ご依頼者のM.Sさんは、被相続人が居住していた自宅建物が空き家となっていたため、こちらの不動産を早く処分しなければならないと考えており、元々法定相続分に相当する金銭の支払いをする予定でした。相手方の要求は法定相続分の範囲内のものでしたので、こちらの要求にはすぐ応じました。
もともと相手方の出席は予定しておらず、これ以降、相手方が出席をしない可能性もあったため、裁判所に対し、何とか当日中に調停を成立させるよう求めました。調停の成立に必要な書類は全て準備できておりましたので、裁判所に手続きを進めてもらい、無事その日に解決することができました。
当初は審判手続きまで予定しておりましたが、思わぬ相手方の出席により、長年進めることができなかった遺産分割をあっさりと調停で解決することができ、ご依頼者には大変喜んでいただけました。
当事務所では、すでに他の弁護士へ相談されている相続案件においても、状況の確認をはじめとしたセカンドオピニオンによる相談にも対応しております。進行状況の確認など、相続の進捗などで気になる点があればお気軽にお問い合わせください。
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