相続トラブルの解決事例 26

ご依頼者が初めて存在を知ることになった相続人に対し、弁護士が代理人となり遺産分割協議及び寄与分の交渉・提案を行い、希望に沿ったかたちで解決した事案

解決事例26

担当弁護士
神津 竜平
トラブル内容
遺産分割協議
解決方法
交渉
ご依頼者
T.Sさん
受任年
2020年
解決年
2020年

相続トラブルの概要

本件は母親(以下「被相続人」といいます。)の相続についてのご相談でした。ご依頼者は、被相続人が逝去されてから戸籍を取得したところ、初めて異父兄の存在を知りました。

会ったことのない異父兄を含めた遺産分割協議に抵抗があり、当事務所にご相談にいらっしゃいました。

解決に向けてのポイント

ご依頼者は初めて存在を知った異父兄に連絡をすることに強い抵抗がありました。このように相続人間で連絡を取ることにためらいがあり、遺産分割を進められない場合には、第三者的立場にある弁護士を交えて協議を進めることが有意義であることを提案いたしました。

また、ご依頼者は被相続人を介護していた時期があったので、法定相続分に寄与分を加えた遺産の取得をご希望されておられました。もっとも、調停や審判によった場合には認められない程度の貢献度(寄与分)と思料されたため、協議により寄与分を主張(説明)していくことを提案しました。

解決に向けた交渉の経過

受任してすぐに、まずは相続人の範囲を確定するために、現在誰が相続人になっているのか調査しました。すると、異父兄は既に死去しており、異父兄の子3名が代襲相続人となっていることがわかりました。

また、ご依頼者の実妹は、異父兄側と揉めることを懸念して、異父兄の存在を知ってすぐに相続放棄をしておりました。そのため、異父兄の代襲相続人3名と協議を進めることになりました。当職にて被相続人の財産調査を終え、遺産目録を作成して代襲相続人への遺産分割の提案を行いました。

ご依頼者のご希望どおり、寄与分の説明も行ったところ全員から納得していただき、無事に当職から提案した遺産分割の内容で解決するに至りました。

当事務所が関わった結果

親族間の背景事情や関係性から、他の相続人から協力を得られずに早期に解決できない事案も多々あります。そのため、本件においては裁判所の手続による解決も視野に入れておりました。

また、調停や審判では認められない程度の寄与分について、他の相続人に丁寧に説明をした結果、全員から納得していただき、ご依頼者の寄与分を踏まえた相続分を取得できました。

第三者的立場にある当職からの電話や書面による連絡を続けることによって、ご依頼から約7か月で無事に話し合いで解決するに至った事案です。

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