相続トラブルの解決事例 25
相続トラブルの解決事例 25
相手方である相続人の1人より、現預金及び不動産が遺産であり、現預金については、葬儀費用等を支払った残額を3人で等分し、不動産については相手方が取得したいという提案がなされ、それに沿った内容で分割が行われていました。
しかし、相手方は、遺産の全容を明らかとする資料を提出せず、全ての遺産を相手方に相続させるという遺言書があるので、争うと不利になるという主張を行うのみで、それ以上の交渉には応じていませんでした。
ご依頼者の方は、現預金のうち、1000万円程を受領しており、今後のお墓や葬儀の費用として200万円を預かっておりましたが、不動産の評価額を考慮すると法定相続分には不足する状況でした。
一方、本当に遺言書が存在したという場合には、遺留分を超える金額を受領しているため、返還義務が生じる可能性があるという状況でもありました。
ご依頼者のW.Oさんは、このようなリスクを承知した上で交渉を進めたいとのことで、本件の交渉を受任することとなりました。
当事務所において遺産の調査を行ったところ、相手方の主張していた金額とそれほど相違ない金額であったことが判明しました。また、相手方と交渉を開始してしばらくした後、相手方が遺言書の検認手続きを申し立てました。
遺言書の内容は相手方の主張とほとんど同様のものであったため、遺言無効確認訴訟を提起することも検討しましたが、相手方より現状のままで終了させたいとの申し出があったため、返還請求等のリスクも考慮し、これに応じることとしました。
これと合わせ、お墓等の管理についても合意を交わし、将来の紛争を防止する内容での解決ができました。なお、もう1人の相続人は、当初より預貯金を受領したことで納得しており、本件交渉には関与してきませんでした。
本件については、後日、当方に不利な遺言書が出てきたことで、ご依頼者のW.Oさんが積極的な遺産の獲得に失敗した事例といえるかもしれません。
しかし、遺言書の内容判明前の時点において、代理人の介入により相手方と感情的な紛争を激化させなかったことから、検認手続き後においても、徹底的な攻防による紛争の激化を避け、当初の状況を維持したまま早期の解決をすることができた事案でもありました。
ご依頼者の取得した遺産は法定相続分には届かないものでしたが、徹底的な攻防による返還リスクや新たな手続きによる弁護士費用等の増額を考慮しますと、感情的に納得いただけなかった部分もありましたが、遺留分を超える遺産を獲得することができ、遺産以外の周辺問題についても無事に解決することができました。
土地の遺産相続で意見対立が先鋭化、弁護士が相手相続人の意向を引き出した上でご依頼者の意向をすり合わせ、お互いが納得の行く遺産分割で解決した事案
相手配偶者の干渉が強く当事者間の協議が困難ななか、分割提案を工夫し、約4か月の交渉によって遺産分割協議が成立した事案
相続人が多く協議がまとまらない遺産分割で、弁護士が裁判所の手続きにならないよう粘り強く具体的な遺産分割の提案と説明を行い、約9か月で解決した事案
他の相続人より預金の管理等を巡って根拠のない追求が続いたため弁護士が間に入り、遺産分割の争点を整理しながら丁寧に協議を行い早期に解決した事案
都内の土地が遺産の中心で、当事者間での協議は困難であったが速やかな交渉の結果、代償金提供方式で遺産分割協議が成立した事案
被相続人の養母に面識のない実子がいたため遺産分割協議を弁護士に依頼、弁護士がご依頼者の希望や経緯を丁寧に実子に伝え、ご依頼者の希望に沿う形で解決した事案
感情的な対立に発展した遺産分割協議で、弁護士が相手と丁寧に接触したことで本音を引き出し、お互いが納得できる提案を行い早期に解決した事案
行方不明の相続人がいたため、弁護士が不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申立てて遺産分割協議を進め、スムーズに協議を成立させた事案
相続発生から10年が経過し、数次相続も発生していた相続問題で、弁護士が遺産目録を作成して遺産分割協議を行い、丁寧な交渉によりご依頼者の希望するかたちで解決した事案
被相続人の不動産処理で相手方相続人と意見の相違があり、当事務所の弁護士が適切な代償金の支払いによる交渉を進め、ご依頼者の納得いくかたちで遺産分割協議が成立した事案