相続トラブルの解決事例 20
相続トラブルの解決事例 20
ご依頼者:Xさん
相手方:Yさん(Xさんの母)、Zさん(Xさんの妹)
被相続人:Aさん(Xさんの父)
Xさんは、幼少の頃、Yさんと性格が合わなかったことから、早々に家を出て一人で暮らしていました。このため、XさんからYさんに連絡を取ることはありませんでした。
ほとんど音信不通だったのですが、Yさんから、Xさんの奥さんに、Aさんが亡くなったという連絡がありました。Xさんとしては、当初は遺産を受け取る気持ちはなかったものの、子どもの進学等のためにお金が必要であったことから、遺産を取得したいと考えるようになり、当事務所に相談に来られました。
ご依頼者であるXさんが希望されたことは、「法定相続分を現金で取得したい」「Yさんと直接連絡は取りたくないので、一切の交渉を弁護士にお願いしたい」の2点で、この点に沿って交渉した結果、金額等で揉めることなく約3か月でスムーズに解決することができました。
Xさんは、Aさんの遺産についてその内容をほとんど知りませんでしたが、Aさんの生活歴等を把握しておりましたので、それをヒントに遺産の調査を行いました。
遺産の調査終了後、私からYさんに遺産分割の提案を行いました。Zさんの取得分については、YさんとZさんの考えがあるようでしたので、私の方から口出しをすることはしませんでした。
Yさんは、知り合いの司法書士にお願いしたいとのことで、その後2週間ほどで当該司法書士から、こちらの提案を踏まえた遺産分割協議書が届きました。
こちらの協議書の内容には、事後的な手続において銀行等とトラブルになりかねない内容が含まれていたため、私の方でXさんの了承のもと、Yさんの希望に沿った手続ができるよう協議書案を複数作成し、Yさんにその中の1つを選んでもらう形で遺産分割協議が成立しました。
Xさんの見解として、Yさんは遺産分割の協議にはすぐに応じてくれるだろうと話しており、実際に遺産分割それ自体の交渉は非常にスムーズに進み、金額等でもめるようなことはありませんでした。おそらく、XさんがYさんと直接交渉してもこの点は変わりなかったと思います。しかし、YさんはXさんのこれまでの生活やXさんの子どものことなど、本件とは無関係なことをXさんに伝えてほしいと話していました。母親としてXさんのことを心配してのことだったとは思いますが、そもそもXさんとの関係があまりよくはなかったため、Xさんにお伝えしても感情的なトラブルになりかねないような内容ばかりでした。
このような事情からしますと、経済的な点からは弁護士の介入するメリットが感じられないかもしれません。しかし、私の経験からご本人同士で交渉された後に相談に来た場合、感情的な対立から調停等の手続を利用せざるを得ないことが多く、かえって時間的にも経済的にも疲弊してしまうことが多々あります。本件は、一見すると経済的なメリットがなさそうですが、解決までの事件の流れを振り返ってみると、遺産分割事件としては極めて短期間で解決した事件に分類され、弁護士の介入した意義が極めて大きかった事件だと思います。
土地の遺産相続で意見対立が先鋭化、弁護士が相手相続人の意向を引き出した上でご依頼者の意向をすり合わせ、お互いが納得の行く遺産分割で解決した事案
相手配偶者の干渉が強く当事者間の協議が困難ななか、分割提案を工夫し、約4か月の交渉によって遺産分割協議が成立した事案
相続人が多く協議がまとまらない遺産分割で、弁護士が裁判所の手続きにならないよう粘り強く具体的な遺産分割の提案と説明を行い、約9か月で解決した事案
他の相続人より預金の管理等を巡って根拠のない追求が続いたため弁護士が間に入り、遺産分割の争点を整理しながら丁寧に協議を行い早期に解決した事案
都内の土地が遺産の中心で、当事者間での協議は困難であったが速やかな交渉の結果、代償金提供方式で遺産分割協議が成立した事案
被相続人の養母に面識のない実子がいたため遺産分割協議を弁護士に依頼、弁護士がご依頼者の希望や経緯を丁寧に実子に伝え、ご依頼者の希望に沿う形で解決した事案
感情的な対立に発展した遺産分割協議で、弁護士が相手と丁寧に接触したことで本音を引き出し、お互いが納得できる提案を行い早期に解決した事案
行方不明の相続人がいたため、弁護士が不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申立てて遺産分割協議を進め、スムーズに協議を成立させた事案
相続発生から10年が経過し、数次相続も発生していた相続問題で、弁護士が遺産目録を作成して遺産分割協議を行い、丁寧な交渉によりご依頼者の希望するかたちで解決した事案
被相続人の不動産処理で相手方相続人と意見の相違があり、当事務所の弁護士が適切な代償金の支払いによる交渉を進め、ご依頼者の納得いくかたちで遺産分割協議が成立した事案