相続トラブルの解決事例 31
相続トラブルの解決事例 31
長期間にわたり交渉できずにいた母親の遺産をめぐる父親・長男と次男間の遺産分割問題について、初回の調停期日で調停が成立し、約4か月で遺産分割が成立した事案です。
被相続人の母親は2018年に亡くなり、相続人は父親と兄弟2人の合計3人となります。母親の遺産は、千葉県にある土地(父親と共有)と、東京下町にある建物(父親と共有)のみでした。
今回ご相談・ご依頼いただいた長男のT.Zさんは家業の商店を継いで、両親の世話をしながら生活していました。次男は下町暮らしでしたが、母親が亡くなる前から父親・長男と次男の交流はほぼない状態で、父親とご依頼者の長男T.Zさんは弟の住所もわからない状態でした。
父親と面談をした際、父親は、「世話になっている長男(ご依頼者のT.Zさん)に法定相続分(二分の一)を譲り渡す考えがある」とのことでした。そのため、まず相続分の譲渡手続きを進めました。父親からの相続分譲渡でご依頼者の長男T.Zさんの相続分が3/4となりました。
次男のご住所がわからない状態だったため、戸籍の附票調査を進め、次男の住所が判明しました。次男の住所宛に遺産分割の意向を確認する手紙を送りましたが、回答の返事が何もありませんでした。
ご依頼者のT.Zさんからは、「次男から不動産の相続分を譲ってもらうためには代償金も提供できます。」との意向が示されていたため、速やかに裁判所での話し合いを進めるべく、遺産分割調停を裁判所に申立て、調停での解決を試みました。
調停期日について次男の欠席も想定しておりましたが、調停期日に次男は出席されました。次男は調停委員に「法定相続分に応じた金銭を受け取れるのであれば、不動産の取得は希望せず、調停に応じます。」との意向が示されました。
そこで、次男へ提供する代償金額について調停委員とともに調整をし、初回期日の調停で、調停成立に至りました。
遺産の不動産共有持分はご依頼者のT.Zさんが全て取得し、次男に代償金を支払う内容で解決することができました。
弁護士として様々な調停や審判に関与していますが、遺産分割の初回調停で調停が成立することは滅多にないので、調停委員も驚いていました。
調停成立のポイントは、心情的な対立を避け、次男の意向確認する場を裁判所に移したこと、次男も争いの長期化を望まず、代償金取得での解決意向を早めに示したことにあったかと思います。
活動開始当初、ご依頼者のT.Zさんは「弟とは全く音信が取れず、何を考えているかわからない。調停で無事解決ができるだろうか?」と心配が尽きない様子でした。思いがけず初回の調停期日で調停が成立し、遺産分割の決着がついたため、とても喜ばれていました。ご依頼者のT.Zさんからは「取得した不動産をどうするかは父とも相談し、家族でしっかり生活していけます。」「母が亡くなってから止まっていた母の不動産持分に関する問題も、これで一区切りつけることができました。」と、感謝のお言葉をいただけました。
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被相続人の不動産処理で相手方相続人と意見の相違があり、当事務所の弁護士が適切な代償金の支払いによる交渉を進め、ご依頼者の納得いくかたちで遺産分割協議が成立した事案