解決までの流れ 知らないと損する「交通事故の慰謝料の相場」 慰謝料請求の方法

「損害賠償金」の請求方法には
3つの方法があります。

交通事故における損害賠償金(慰謝料)を請求するには「示談交渉」「裁判外紛争処理機関(ADR)」「裁判」の3つの方法があります。被害者にとって「もっとも良い解決方法」となるかは、各手続きのメリット・デメリットを知ったうえで、被害状況や被害者自身の希望によって選択されることが一般的です。

示談交渉について

「示談交渉」とは被害者と加害者が直接話し合って賠償金額を決めることです。交通事故の示談交渉は多くの場合、加害者が加入している任意の保険会社が加害者に代わって交渉します。

交通事故被害の解決は80%が「示談交渉」

リーガルプラスに依頼される交通事故被害の解決のほとんどは「示談交渉」です。弁護士に相談するとすぐに「裁判」に発展し、問題をさらに「おおごと」にされるのではないかというイメージがある人も多いと思いますが、実際は約80%のご依頼が保険会社との直接の示談交渉によって解決しています。

「示談交渉」のメリット・デメリット

示談交渉のメリット
  • 直接話し合うため、「早期解決」の可能性が高い。
  • 話し合いのため立証資料が少なくてすむ。
  • 話し合いであるため、柔軟な対応が可能。
示談交渉のデメリット
  • 感情的な対立になると「早期解決」できない可能性がある。
  • お互いに譲歩し解決を図ることが基本のため、裁判所基準より低い賠償額になる可能性がある。
  • 個人で交渉を行う場合、専門知識・ノウハウのある保険会社担当に交渉で負ける可能性がある。
  • 個人で交渉を行う場合、専門知識・ノウハウのある保険会社担当に交渉で負ける可能性がある。

示談交渉の流れ

示談交渉の開始は、人身障害の場合は「治療終了」「症状固定」のタイミングです。「症状固定」後に交渉を始めるのは、損害賠償額の計算の前提となる「後遺障害」が残るか否かの判断が必要となるためです。
被害者が死亡している場合には「治療する」「後遺障害の認定を受ける」ということがないため、事故直後から示談交渉が可能となります。
示談交渉がまとまらなかった場合には「裁判外紛争処理機関(ADR」「裁判手続き」にて解決を図ることになります。

裁判外紛争処理機関(ADR)について

裁判外紛争処理機関(ADR)とは、裁判所を通さずに紛争を解決する手続きをいいます。交通事故に関する機関としては「公益財団法人 交通事故紛争処理センター」と「公益財団法人 日弁連交通事故センター」などがあります。それぞれの機関にはそれぞれ特徴があります。

「公益財団法人 交通事故紛争処理センター」とは

多くの保険会社や共済と協定を結んでおり、保険会社に拘束力のある仲裁案が出せることが特徴です。また、保険会社が仲裁案に不満があっても裁判を起こすことができません。被害者に不満がある場合は裁判手続きをとることができます。
全国に支店があるため利用しやすいのが魅力ですが、自転車と歩行者の交通事故では利用できないなどの注意点があります。

「公益財団法人 日弁連交通事故センター」とは

法律の専門家である弁護士が所属する「日本弁護士連合会」が、交通事故の被害者救済の観点で設立した仲裁機関です。仲裁には交通事故問題に詳しい弁護士が対応するのが魅力です。

裁判外紛争処理機関(ADR)を利用するメリット・デメリット

裁判外紛争処理機関(ADR)は、「公益財団法人 交通事故紛争処理センター」「公益財団法人 日弁連交通事故センター」以外にも存在します。それぞれのADRが持つ特徴やメリット・デメリットを理解したうえで利用することをおすすめします。

裁判外紛争処理機関(ADR)のメリット
  • 手続費用が無料(資料作成日・医療関係書類の取付費用などは除く)
  • 協定締結している保険会社は仲裁案に拘束されるが、被害者は拘束されない。
  • 仲裁員が間に入ることで、話し合いにおいて保険会社との知識・経験の差が明確に出にくい。
裁判外紛争処理機関(ADR)のデメリット
  • 裁判ではないため「時効中断」の効力がなく、時効直前の場合には中断の手続きを別途とる必要がある。
  • ADRと協定締結していない場合、その保険会社は拘束されない。
  • 裁判手続きに比べると賠償額が低くなる可能性がある。

裁判外紛争処理機関(ADR)手続きの流れ

裁判について

「示談」での解決が多く、「裁判」での解決は少ない

示談交渉の項目でも述べましたが、交通事故の解決方法で一番多いの「示談交渉」による任意の解決です。リーガルプラスにおいてもその割合は80%にのぼります。
しかし、ご依頼いただくなかで「裁判」や「裁判外紛争処理機関(ADR)」など、外部の機関を利用する場合もあります。

「裁判」での解決を選択する理由

「裁判」での解決を選択する理由としては、「重度の後遺障害である」場合や「保険会社の提示額が定額で、示談交渉の継続が難しい」場合など、「裁判」を提起した方が被害者の利益をより追及できるような場合には「裁判」を選択します。

「裁判」において、弁護士サポートを必要とする理由

「裁判」となると、毎月裁判所へ出廷しなければならない、証拠を収集しなければならない、加害者側の保険会社(または相手方弁護士)と交渉をしなければならないという、精神的にも時間的にも大きな負担が生じます。
「裁判」で解決するためには半年~1年以上の期間がかかります。被害者ご本人、あるいはご家族において、ご自身で裁判手続きを行っていくのは大変だと感じられるのではないでしょうか。しかし、被害者の症状や障害の程度、これからの生活を考えたときに、経済的な拠りどころとなる「賠償金」を適切に受け取るためには、ときには「裁判」も必要となります。
司法書士や行政書士も交通事故を取り扱う専門家として活動していますが、裁判まで見据えた行動ができるのは弁護士だけです。最良の解決方法が「裁判」であるかどうか、他に最良の解決方法があるのではないか、不安を拭うためにもリーガルプラスの無料相談を是非ご利用ください。

交通事故の「裁判」にかかる「期間」

「裁判」といっても長期間(1年以上)かかるとは限らない

「裁判」には「さらに揉めるのでは」「時間がかかるのではないか」「莫大な費用がかかるのでは」という不安があると思います。部分的には正解ですが、実際の裁判は個別の事案によって変わってきます。

「裁判」の期間は「何」を争うかで異なります

交通事故被害の裁判は主に「慰謝料を相場(裁判所基準)に引き上げるための裁判」と「事実から争い、賠償額を引き上げるための裁判」に絞られます。
「賠償金(慰謝料)を相場(裁判所基準)に引き上げるための裁判」は、損害賠償額の算定の前提となる「後遺障害の有無や等級認定」「過失割合などの事故の態様に関する認識」についてはお互いに納得しているものの、「賠償金(慰謝料)」という点については不満があるという場合です。この場合、争うポイントが少ないので、短期間で済むことがあります。
対して、「事実から争い、賠償額を引き上げるための裁判」では、「後遺障害の等級」や「過失割合」など、争うポイントが多くなります。それに伴って、必要な医療記録の取り寄せなどの作業が発生するため、解決までに1年以上の期間を要することになります。
また、日本では三審制を採っており、一審での判決内容に不満があれば、控訴を行うことになるので、解決までの期間は自然と長引くことになります。

裁判での終わり方によって解決期間も変わります

「裁判」の終わり方には「判決」「和解」「取り下げ」などがあります。実際の交通事故裁判では、「判決」や「和解」で終了することが多く、最後まで争う「判決」よりも「和解」を選択することで、早期解決を図ることもあります。裁判における「和解」で終了する割合はおおよそ70%程度と、その多さが窺えます。
また「和解」といっても、「被害者が譲歩して和解する」というものではなく、どちらかというと「被害者側で主張した内容を認める判決」に近い内容であることが少なくありません。そして、事故状況などは最後まで争った場合「敗訴」になる可能性が高いケースでは、「和解」を選択することも被害者の方の利益となる可能性もあります。

「裁判」手続きのメリット・デメリット

裁判のメリット
  • 相場である「裁判所基準」で賠償金を獲得できる可能性が高い。
  • 判決で、損害賠償額元金の10%程度を弁護士費用として認められる可能性がある。(和解では認められない)
  • 判決で、損害賠償金について事故日から支払い日まで「年5%」の遅延損害金が認められる可能性がある。(和解では認められない)
裁判のデメリット
  • 示談交渉やADRに比べると「時間」がかかる。
  • 本人訴訟が難しく、弁護士に依頼する「費用」がかかる場合がある。
  • 敗訴するリスクがあるので、弁護士に依頼する際に説明を受けることが望ましい。

交通事故「裁判」の流れ

日本では「三審制」を採っており、3回裁判を行うことができます。しかし、3回目の裁判は「事実審」ではなく「法律審(憲法違反、判例違反、法令違反についての判断)」となっています。つまり、事実の認定についてはは控訴審(2回目の裁判)までに決着をつけることとない、初回の裁判手続きから適切に対応して解決を図っていくことが重要といえます。

交通事故裁判の流れについては「民事裁判・刑事手続きについて」に詳しく記載しています。

民事裁判・刑事手続きについて

次ページ : 交通事故慰謝料の裁判所基準

慰謝料の相場である「裁判所基準」について解説します。

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