解決までの流れ 後遺障害賠償金の仕組み

後遺障害の賠償金の仕組みや計算方法
について説明します。

後遺障害の賠償金の仕組み

後遺障害に対する賠償金は主に、後遺障害によって受けた精神的な苦痛に対して支払われる「後遺障害慰謝料」と、後遺障害によって働くことが難しくなったなどの理由で本来なら得られたはずの収入が得られなくなった損害に対して支払われる「後遺障害の逸失利益」の二種類があります。
高障害の賠償金の算出はどちらも「後遺障害の等級」によって支払われる金額が大きく変わります。したがって、ご自身の後遺障害が何級に認定されるかは非常に重要なこととなります。

後遺障害の逸失利益について

後遺障害の程度によって、仕事に影響を及ぼすことが多々あります。交通事故にあわなければ、働いて得ることができたであろう利益を「逸失利益」といいます。後遺障害の逸失利益は「後遺障害の等級」に加えて、年齢や職業などで異なります。

1. 計算の仕方

後遺障害の逸失利益は次の計算方法で算出されます。

基礎収入(年収)

×

労働能力喪失率

×

労働能力喪失期間に対応する中間利息控除率(ライプニッツ係数)

2. 各項目について

① 基礎収入

サラリーマンなどの会社勤めの方(給与所得者)は現在の収入をベースに計算されます。20代前半など若い方は将来の昇給の可能性も考慮されます。自営業の場合は確定申告をベースにします。学生・主婦などは厚生労働省が実施している賃金構造基本統計調査の結果をまとめた「賃金センサス」を基準に基礎収入を算定します。

② 労働能力喪失率

労働能力喪失率は後遺障害の等級によって異なります。なかでも、以下のような事案では労働能力喪失率が争われやすいので注意が必要となります。

実際に問題となりやすい事例
外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)

日常生活で露出する部分(頭や顔、首まわり)に目立つ傷痕が残ってしまったことを外貌醜状痕といいます。加害者側は「仕事への影響はなく、労働能力を喪失させるものではない」と主張してくることが多いのですが、被害者としては職業選択の幅や人間関係、対外活動への積極性が失われたなどを根拠に慰謝料増額事由も併せて主張することになります。


脊柱や鎖骨の変形

加害者側は労働能力への影響を否定してくることが多いため、被害者側としては脊柱や鎖骨の変形が現実の業務にどう支障を与えているかを詳細に主張する必要があります。
労働能力喪失率が争われやすい事案としては、そのほか嗅覚や味覚の障害、歯牙障害(欠損)、下肢の短縮などの後遺障害が考えられます。

③ 労働能力喪失期間

労働能力喪失期間は、症状固定時の年齢から67歳までの期間に労働能力を喪失したとされ、逸失利益が計算されます。高齢者の場合は平均余命などを参考に算定されます。

ライプニッツ係数とは?

後遺障害逸失利益には将来受け取るはずの収入が含まれています。たとえば10年先の収入を今受け取って銀行に預けると10年分の利息が発生することになります。その余分な利益を計算するための係数を「ライプニッツ係数」といいます。

労働能力喪失期間が問題になりやすい事例

後遺障害が神経症状のみで、かつ症状に医学的他覚所見がない場合については、実務上14級は労働能力喪失期間を5年、12級は10年と認定されることが多いといえます。保険会社はさらに短い労働能力喪失期間を主張することがあります。
適正な補償を受けるためにも、弁護士へ相談されることをおすすめします。

後遺障害慰謝料について

1. 保険会社の提示額と裁判所基準

示談交渉が始まると、加害者側の保険会社は賠償金の基準の中でもっとも低い「自賠責基準」よりも少し多い金額で「後遺障害慰謝料」を提示してくることが多いようです。しかし、上の表を見ると明らかなように、「自賠責基準」と慰謝料の相場である「裁判所基準」では大きな金額の差があります。弁護士は「裁判所基準」をもとに慰謝料を請求するので、加害者側の保険会社の提示額から大きく増額できる可能性があります。
加害者側保険会社から示談書の提示があったら、適正な賠償金額であるか、弁護士に相談されることをおすすめします。

2. 慰謝料が増額する場合

上の「後遺障害慰謝料」の表は、基本的な金額となっています。
無免許運転やひき逃げ、酒気帯び運転、あからさまな赤信号無視など、加害者の過失が大きい場合や加害者の態度が著しくひどいような場合は慰謝料の増額事由として考慮されます。
交通事故の内容はさまざまで、事故の内容に応じて具体的な主張が必要になります。交通事故問題の経験が豊富な弁護士に依頼することで、早期解決につながるほか、慰謝料が増額する可能性があります。

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