交通事故被害者の方 むちうちでお悩みの方

「むちうち」症状の経過について

「むちうち」の症状は交通事故の状況やケガをしたときの首や腰の状態など、さまざまな要因で頚椎捻挫を中心にいろいろな症状が現れます。時間の経過とともに症状にも変化がみられます。事故直後に平気だと思っても翌日以降に症状が現れる場合がありますので、交通事故に遭ったらケガの大小に関わらず、すぐに医療機関を受診してください。

受傷直後

「むちうち」は、交通事故に遭ってすぐに自覚症状がある場合もありますが、必ずしもそうではありません。他にもケガをしてしまった場合や交通事故に遭ったショックで痛みを感じないことも多々あります。また、「むちうち」の症状は単に首が痛い、首が動かないというだけでなく、頭痛やめまい、耳鳴り、脱力感(だるさ)など、さまざまです。まずは医療機関を受診しましょう。

自覚症状
頭がぼんやりとする、脱力感がある、吐き気や意識混濁、頭痛、上半身のしびれ、圧迫感など

急性期(1~4週間)

交通事故からしばらく経つと首の痛みや可動範囲の制限、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、視力・聴力・知覚・筋力の低下などの症状が起こります。これらの症状の原因は、レントゲンなどで医学的に証明できない場合が少なくありません。そのため、被害者が痛みを誇張したり嘘をついているのではないかと疑った加害者側の保険会社から、示談交渉のときに賠償額を低く提示されることも考えられます。そのため、賠償額が提示された段階で、その金額が適切かどうか弁護士に相談されることをおすすめします。

自覚症状
頚部痛、圧迫感・緊張感、頭痛、頚椎運動制限、肩こり、頭痛、めまい、はきけ、上肢の痺れ、腰痛など
他覚所見
頚椎運動制限、項頚部筋の圧痛など、知覚障害や神経根症状などの陽性所見、X線検査において椎間腔狭小化や変形性頚椎症、バレー・リュー症状の出現

「むちうち」の治療期間

「むちうち」は病院で治療を続けているうちに完治するか、ある程度まで回復します。治療期間は、「3~6か月」を目安とすることが多いようですが、6か月を経過しても症状の改善がみられないこともあります。

その場合、医師から今後治療を継続しても改善が見込めない状態である「症状固定」という診断を受け、一度治療を打ち切って「後遺障害等級の認定」の申請手続きに進みます。

交通事故の損害賠償は「症状固定」を区切りに「傷害部分」と「後遺障害部分」に分けて計算されるため、「症状固定」と診断されるとそれ以後の治療費は請求することができません。「症状固定」後も治療を続けたい場合は自身の健康保険に切り替えるなどして、自費で治療、通院を継続することになります。

そして「後遺障害等級の認定」が認められた場合は「後遺障害部分」として、残ってしまった症状による労働能力の低下に対する賠償(逸失利益)や慰謝料を請求することになります。

治療と診断について

「後遺障害等級の認定」の手続きは、治療が終わったあと医師に「後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書)」の作成を依頼し、検査結果画像などと併せて自賠責保険会社へ提出、申請します。

この手続きは書類での審査が中心となるため、書類の内容が「後遺障害等級を認定するのに必要十分であるか」が大事なポイントとなります。「むちうち」の場合、事故から症状が一貫して続いている点が記載されているかなどを確認する必要があります。

「後遺障害等級の認定」のための手続きは複雑で、医学的知識と法律的知識両方が必要な内容を完全に理解することは簡単なことではありません。後遺障害診断書に不備がないか、申請前に弁護士に相談することをおすすめします。

加害者側の保険会社から治療費打ち切りについて

「むちうち」に多い「頚椎捻挫」は一般的に約3か月程度で治癒するという統計があるため、加害者側の保険会社のなかには期間内で治療費の支払いを打ち切って、被害者に治療をやめるよう求めてくるケースもあります。これは、治療期間が短ければ短いほど、保険会社が支払う治療費や慰謝料、通院交通費などの支払いが抑えられるためです。

示談成立前の保険会社による医療機関への治療費の支払いは、「一括払い対応」と呼ばれるサービスの一貫として行われています。「一括払い対応」に法律上の根拠はなく、あくまでも保険会社によるサービスと位置づけられています。

本来、法律上では加害者側が被害者に治療費を支払う時期はすべての賠償額が確定したとき、つまり治療終了後ということになります。そのため、保険会社が「治療の必要性がない」「すでに症状固定になった」「過剰診療だ」などと判断すれば、治療中の支払いの打ち切りは可能です。

しかし、保険会社側の治療費支払い打ち切りの判断と、医師による治療終了の判断は必ずしも一致するものではありません。改善が見込めるならば、自費でも治療を続ける必要があります。

治療費の打ち切りを求められた場合、被害者側の負担が少ない対応としては、保険会社に治療費の支払いの延長を交渉するという方法があります。現在の症状を説明し、具体的にいつまで治療を継続すべきかを伝えることで若干の延長を認める場合があります。

治療の必要があるにも関わらず、治療費の打ち切りとともに治療をやめてしまうと治らないばかりでなく、適切な補償が受けられなくなります。こういったケースも弁護士にご相談ください。

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