交通事故に関する解決事例 06

2か月の入院と1年半にわたる治療を要した交通事故被害において、早期解決に向けた弁護士による適切な交渉で裁判基準に近い賠償額で和解した事案

解説弁護士
谷 靖介

Y.Eさん・80歳代・主婦

受傷部位
上肢
後遺障害等級
併合10級
傷病名
右上肢欠損機能障害
右鎖骨変形障害
左上肢欠損機能障害
左鎖骨変形障害
解決方法
示談交渉
弁護士費用特約
なし
取得金額
1192万円

ご依頼者の事故発生状況

事故態様
(加害者)自動車/歩行者(被害者)

ご依頼者のY.Eさんが、交通整理の行われていない横断歩道で自転車を押しながら横断していたところ、前方不注視で走行してきた加害者の運転する普通乗用自動車に衝突され、転倒・受傷した事故です。

この事故により、両鎖骨骨折等の重傷を負って約2か月間の入院となり、退院後に1年5か月ほど通院され、症状固定となりました。症状固定後、加害者側の保険会社を経由して、自賠責調査事務所による後遺障害等級の審査を受けました。

その結果、右左両鎖骨骨折による障害を原因として、両肩関節の機能障害(可動域の角度が3/4以下に制限)として12級6号、また、両鎖骨の変形障害として12級5号の後遺障害等級の認定がなされ、併合第10級の後遺障害等級と判断されました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者であるY.Eさんの旦那様より、事故直後から継続的にご相談を受け、その後、保険会社から和解案提示を受けることとなりました。しかし、保険会社からの和解案が、必ずしも認定された等級に応じた適正な賠償額ではなかったことから、当事務所の弁護士を代理人としてご依頼いただくこととなりました。

Y.Eさんは、事故に遭われた当時81歳であり、夫と2人で年金生活を送っていました。そのため、相手方保険会社との交渉においては、ご高齢の家事従事者としての損害、具体的には休業損害及び後遺障害による逸失利益につき争いが生じました。

この点につき、Y.Eさんからご家庭における事故前と事故後の家事状況・事故による家事への影響等に関して詳細にヒアリングを行い、そのうえで陳述書を作成し、相手方保険会社に対してY.Eさんが有利となるよう主張をしました。

また、Y.Eさんのご意向としては交渉にて早期に解決を望んでいたため、交渉で示談可能な最大限の賠償額の主張に尽力しました。その結果、当方の主張が反映された賠償額にて和解を成立させることができました。

弁護士による事例総括

本件は、高齢の主婦の方が被害に遭われ、後遺障害等級10級の事前認定がなされている事案でした。

受任前の段階で相手方保険会社から提示されていた和解案では、裁判基準による損害額の算定と比べて必ずしも十分な補償がなされているとは言えないと考え、交渉業務を開始しました。

交渉の結果、裁判基準に近い内容で和解を成立させることができました。また、過失割合に関しては、あまり争点になっていなかったこともあり、交渉による早期解決になじみやすい事案であったことも幸いしたと考えます。

結果として、早期に解決したいとお考えだったご依頼者であるY.Eさんの要望に応えることができたかと思います。

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